DDTの竹下幸之介(27)が、米国武者修行の成果を発揮する。4月に単身渡米し、〝狂乱の貴公子〟リック・フレアー2度目の引退興行に参戦する機会にも恵まれた。4か月間の海外マットで得た経験を武器に、団体改革に着手することを決意。まずは再渡米を控えた25日の東京・後楽園ホール大会でKO―D無差別級王者・樋口和貞(33)からベルトを奪う。

 実りある米国遠征だった。竹下は4月10日後楽園大会を最後に渡米し、AEWを中心に参戦した。試合のほとんどが当日の2時間前に組まれることが多く戸惑いもあったが、10年間のプロレスラー人生で培った「1試合もマンネリ化させないように準備する」という信念を貫き奮闘した。

「試合に出られるかも分からないから、団体の全男子選手約60人の試合を見て頭の中で何度も戦った」と振り返る。現地では20歳くらいに見られていたそうで、「デビューしたばっかりの若い子に見えるのに、試合したらエルボーとか誰よりも強いっていうのを面白がってくれた」とギャップを生かしてファンをとりこにした。

 努力が実を結び、7月31日にテネシー州ナッシュビルで行われたフレアーの引退興行に参戦する機会を得た。2歳からプロレスを見てきたプロレスマニアにとって、フレアーは雲の上の存在だった。

「向こうから『アイム・リック・フレアー』って握手してくれて。超かっけー、絶対にいい興行にするって誓った。彼は全く気取っていなくて、あれくらいのスーパースターは1周回って悟りを開いてる」

 試合後の引退セレモニーではジ・アンダーテイカーら名だたるスーパースターと同じ空間を共有した。「感動してキョロキョロしているところを中継で抜かれていて。アメリカのファンから『リアル・フォレスト・ガンプだ』って言われた」と笑顔で語った。

 4か月の武者修行で感じたのは、現地レスラーの表現力の豊かさだ。「やっぱり自由の国、アメリカだからリング上も自由。僕も子供の時はあり得ないプロレス技を考えていたけど、実際プロレスラーになってからは、それに挑戦しようともしていなかった」と痛感し、25日のKO―D王座戦では固定観念にとらわれない試合を目指す。

「DDTは若手の層が日本一厚いと思う。ベテランの選手じゃ見せられないこと、やってこなかったことをしないと意味がない」とした上で「樋口にそれをできるのか? できないなら、僕がチャンピオンになって変える」ときっぱり。米国マットの経験をDDTに還元する。