選挙の風物詩はなくなってしまうのか? 22日に公示された参院選(7月10日投開票)には選挙区367人、比例代表178人の計545人が立候補している。新型コロナ禍での選挙は何度も行われているが、各陣営が頭を悩ませるのはマスクと握手だ。脱マスクのムードが高まっているため、マスクを取って演説する人が増えた一方、直接接触する握手はそうもいかないという。
日本国内では26日、新たに1万4238人の新型コロナウイルス感染者が確認された。前週の同じ曜日と比べて1000人余り多い。東京都だけに限ると26日は2004人の新規感染者が報告された。9日連続で1週間前の同じ曜日を上回ったことになる。
そうした中で行われている参院選は、やはり感染対策が不可欠だ。自民党から東京選挙区に出馬した元おニャン子クラブの生稲晃子氏(54)は26日、東京・浅草の雷門前で演説を行った。
「どうぞみなさま、顔と名前を、そして私にご支援をよろしくお願いします」
こう聴衆に向かってお願いをした生稲氏の顔には透明のフェースガード。芸能人とはいえ世代によって認知度は異なるため、顔が分かるようにしているわけだ。
自民党関係者は「生稲氏の場合はやはり顔を見てほしい。街宣車の上ではマスクを外してもいいと思うが、何か言われないとも限らず難しい判断です」と悩ましい思いを明かした。
他党の事情はどうか? 日本維新の会から東京選挙区に出馬している海老沢由紀氏の場合、街宣車の上で演説しているときはノーマスクだった。
同党の音喜多駿政調会長は「マスクのレギュレーションですか? 街宣車の上や演説のときは外す。2メートル距離が取れるときはなるべく外す。チラシ配りで近づくときはマスクをするようにしています」と、自主的にルールを決めていると明かした。
とはいえ有権者の変化も感じているという。「正直、みなさんからあまりマスクについて言われなくなりました。だいぶ落ち着いている気がしますね。以前はすごく言われたんですよ。『大声で話すな』とか『非常識だ』とか。肌感覚ですが、今はなくなりましたね」(音喜多氏)
ほかの陣営も演説中はマスクを外すことが多いようだ。ある政党関係者は「街宣車の上なら外してもいいだろうと判断しています。また、耳が聞こえない人などには口元が見えた方がいいという考えもあります」と明かした。
マスクが臨機応変に外されつつある一方、握手は厳しいままだ。冒頭の生稲氏は演説後、雷門前で有権者と撮影会を敢行。少し前なら「密!」と注意を受けるほどの混雑ぶりだった。生稲氏は声をかけられるたびにグータッチをして支持を訴えていた。
ある陣営の関係者は「接触を嫌がる人はそもそも近づいてこないと思っていますが、基本的にはグータッチにしています。グータッチにはメリットがあって、一人ひとりに時間がかからないから数をこなせるんですよ」と、意外な利点を明かした。
選挙といえば握手のイメージもあるが、このままグータッチに取って代わられてなくなってしまうのか? 別の陣営の関係者は「確かに握手は手を離してもらえないこともあり、時間のロスがある。でも握手は頭に残るんですよ。票になるのは握手です。今はダメでも必ず握手は復活しますね」と話した。
選挙で握手が完全復活した時こそ、コロナに打ち勝った時といえるのかもしれない。












