【取材の裏側 現場ノート】フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦(27=ANA)が第一線を退く意向を表明し、世界中で大きな反響を呼んだ。
19日に行われた会見は地上波各局で生中継され、記者もその様子を社内のテレビで見ていた。特に目にとまったのが、報道陣から質問を受けるたびに、羽生が「ありがとうございます」と丁寧に対応していたことだ。
この礼儀正しい対応はファンからも称賛の声が上がったが、記者は一人の女子プロレスラーの姿を思い出した。米WWE・NXTで活躍する〝暗黒の逸女〟こと紫雷イオだ。
4年前の2018年6月、イオは「スターダム」を退団し海を渡った。同5月29日に行われた退団発表会見では、質問者に「とてもいい質問、ありがとうございます」と感謝の言葉を添えたのが印象的だった。そのためか、団体の絶体的エースが退団というマイナス的な要素は払拭され、会見場は和やかな空気に包まれたのを覚えている。
そして、壮行試合となった6月17日後楽園大会。イオを担当した多くの記者が後楽園ホールに集結した。これもファン、関係者、そしてメディアを大切にした彼女の人柄だったのだろう。ラストマッチを終えると記者一人ひとりに感謝の言葉を述べ、お世話になったお礼として自身のイラスト入りスマホ充電器を手渡した。
そのイオは、今年4月からNXTを欠場している。現地報道や関係者の話では負傷のためだという。同時に去就が騒がれ始めており、WWE残留とともに日本マット復帰の可能性も取りざたされている。
イオの退団後、林下詩美がデビューし、ジュリアが加入するなどブシロード体制となったスターダムの光景は大きく変わった。もし、ここに逸女が加わったらどうなるのか。イオ vs 詩美、イオ vs ジュリアなど新鮮なカードはいくらでもあり、実際、詩美とジュリアは対戦を望んでいる。
かつて人生設計を聞いた際にイオは「最後は日本でやりたいんですよね」と語っていたが、果たして…。いずれにせよ、まずはリング復帰が大前提。今後の動向を注視したい。(プロレス担当・小坂健一郎)












