王国復活の序章となるか。18日に行われる陸上・世界選手権(米オレゴン州)の女子マラソンには、一山麻緒(25=資生堂)、松田瑞生(27=ダイハツ)、新谷仁美(34=積水化学)の3選手が出場する。日本勢は2013年大会銅メダルの福士加代子氏(40)以来の表彰台が期待される中、04年アテネ五輪金メダルの野口みずき氏(44)がレースのポイントを占った。

 女子マラソンは大きな過渡期を迎えている。ひと昔前は2時間20分を切る選手がほとんどいなかったが、今では珍しくなくなった。一方の日本勢は05年に野口氏がベルリンマラソンでアジア最高記録(2時間19分12秒)をマークして以降〝壁〟を破れていない。野口氏は「タイムを見るとどんどん世界から離れている感じがする。今の日本人選手では2時間20分を切る選手が出てきていないので、タイム的にはちょっと厳しいかもしれない」と危機感を口にした。

 ただ、今回は通常のレースとは異なる大舞台だけに「世界選手権や五輪のような順位を意識するような大会では、まだまだ日本勢も食らいつけば、上位を狙えると思う。表彰台を狙えるぐらいの位置に行ってほしい」と期待。レース当日の展開、気候などの条件によっては、日本勢にもチャンスがあるとの見方だ。その上で、野口氏は「積極性」が勝敗を分けるカギになると指摘する。

 今大会は1周14キロのほぼ平たんなコースを約3周回る。近年増えつつある周回コースでのレースは「トラックと同じような感覚で、アフリカ勢の速い選手はどんどん速く行ってしまうと思う」と分析。序盤からハイペースなレース運びが予想されるからこそ「後悔しないためにも最初から積極的にいい場所、位置取りをして、レースを動かせるようなところで走ってほしい。自分たち(日本勢)よりもスピードのある選手と走るのは難しい部分もあると思うが、それでも『私は引かないわ』というのをガンガン出してほしい」とエールを送った。

 2年後にはパリ五輪を控えているだけに、今後につながるレースをしたいところ。「(日本勢の)選手たちは120%の気持ちでトレーニングをしてきていると思うので、それを最大限発揮して、パリ五輪に向けていい兆しとなるような走りをしてくれたら」。何が起きるか分からないのが勝負の世界。いま一度、日本勢の底力を見せるときが来た。