気になる〝あの問題〟の動向は――。卓球の2024年パリ五輪代表選考会「全農カップ・トップ32」最終日(4日、アクシオン福岡)、女子決勝は伊藤美誠(21=スターツ)が、石川佳純(29=全農)に4―0で完勝し、国内選考会で初優勝を果たした。これまで国内のライバルに苦戦が続いていたが、世界トップクラスの強さを改めて証明。一方で、日本のエースをはじめ選手たちは2年後の大舞台に向けて不安を抱えながらコートに立ち続けている。
石川に圧勝して国内選考会初優勝を果たした伊藤は「挑戦者の気持ちで戦っていた分、最後まで向かっていけた」と納得の表情を浮かべた。今春からスタートした選考会で過去2大会はいずれも準々決勝で敗退。国内ライバルに苦戦する姿が目立っていた中、今大会は世界ランキング5位の実力を改めて見せつけた。
しかし、コート外の〝不安要素〟が完全に消えたわけではない。伊藤ら選手が気にしているのは、日本卓球協会が昨年9月の理事会で承認した「パリ五輪代表選考基準の考え方」が、国際卓球連盟(ITTF)が7月に発表した「パリ五輪出場資格」を満たしているのかという点だ。
ITTFの出場資格は団体の出場権を獲得した男女16チームはシングルス2枠が自動的に割り当てられ、2024年6月18日発表の世界ランキング上位2人が資格を得るとしている。一方、協会側は今年4月の時点でITTFから団体の出場権を得た場合、代表選手はNOC(各国・地域オリンピック委員会)が決められるとの説明を受けたとし、出場資格に関しても「シングルスは世界ランキング上位2人が望ましい」と解釈。ただ、発表内容に「代表はNOCが決定できる」と明記されていなかったため、協会はITTFに正式な文書を求めていた。
その後の状況について、宮崎義仁専務理事は「(ITTFの担当者と)ほぼ毎日連絡を取って、約束通り(文書を)出してくれないのか尋ねたところ『私からはもう答えない。IOC(国際オリンピック委員会)にはちゃんと伝えているので、IOCからの返事を待っている』との返事が来た。私たちはJOC(日本オリンピック委員会)を通じてIOCに確認する」と説明した。
あくまで協会側は「選考基準の考え方」に問題はないとの立場。宮崎氏は「伊藤はたくさんのメディアを見ているので『どっちになるんだろう』と言っているのは間違いないし、他の選手もそう言っているのは間違いない。(選手には)問題ないよと(伝えている)」と不安払拭に努める一方で「ITTFは認めているし、IOCにも伝えている。文書で出ていないけど、私たちはそれを確信しているからこの選び方でいくということ」と強調した。
ただ、伊藤は「まだ答えが来ていないというだけで実際は分からないなと」と複雑な胸中を吐露。IOCからの正式な回答で〝お墨付き〟を得るまでは、選手たちのモヤモヤした気持ちが晴れることはなさそうだ。












