このまま〝衰退〟してしまうのか。バドミントンの世界選手権3日目(24日、東京体育館)、男子シングルス2回戦で世界ランキング2位の桃田賢斗(27=NTT東日本)が、同18位のHS・プラノイ(30=インド)に17―21、16―21でストレート負けを喫した。東京五輪では金メダルを期待されながら1次リーグ敗退。再び巡ってきた自国開催の大舞台で、またしても苦杯をなめさせられた。エースの早すぎる敗戦は、日本のバドミントン界全体にも暗い影を落としている。

 1年前の〝悪夢〟の再現だ。桃田は「(東京五輪の)悔しさを晴らしたい。しっかり結果を出したい」と並々ならぬ決意で大会に臨んでいたが、最後まで自分のプレーができずに2回戦敗退。「一つひとつのショットに対して、ラケットを振り切れなかった。ミスを恐れて縮こまってしまったのが敗因だと思う。途中でそれを分かったのにもかかわらず、実践できなかった気持ちの弱さがすごく悔しい」と言葉を詰まらせた。

 日本初開催となる今回の世界選手権は、バドミントン界全体にとっても人気復活の起爆剤として期待されていた。2016年リオデジャネイロ五輪では、女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀(BIPROGY)組が日本バドミントン史上初となる金メダルに輝き、競技の人気が急騰。昨年の東京五輪でも、日本勢のメダルラッシュが予想されていた。

 しかし、桃田をはじめ、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)、奥原希望(太陽ホールディングス)ら有力選手が相次いで敗戦。結果的には、混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗(BIPROGY)組の銅メダル1個のみ。この結果を受けて、一部のバドミントン関係者は「人気を維持できるか…」と危機感を募らせていた。

 実際、今大会の来場者数は、3日間で7420人にとどまっている。ある大会関係者は「ぼちぼちの観客が来てくれているけど、平日と言っても今は夏休み中だからなあ…」と表情を曇らせる。やはり競技を盛り上げるには、結果を出すことが必要不可欠。だからこそ、別の大会関係者は「やっぱり桃田選手や山口茜選手には残ってほしい」と切願していたが、エースの桃田が早々に姿を消す形となった。

 このままでは、ただでさえ下降線をたどる競技への関心がさらに〝地盤沈下〟してしまう可能性もある。パリ五輪まで、あと2年。桃田は「今後については、いったん気持ちを落ち着かせてまた考えたい。(復活したい気持ちは)もちろんある」と必死に前を向いたが…。まさかのエースの敗戦に、日本のバトミントン界全体が大きなショックに包まれている。