エンゼルスは23日(日本時間24日)に球団売却などを検討する手続きを開始したと発表した。2014年を最後にプレーオフから遠ざかり、今季もア・リーグ西地区で4位と低迷する現状を受け、オーナーのアート・モレノ氏(76)が決断した。今後、チーム再建とともに注目されるのが23年オフにFAになる大谷翔平投手(28)の去就への影響だ。残留か移籍か。残留なら史上最高の年俸5000万ドル(約68億円)の巨額契約は必至で、プレーオフ出場への大補強が前提だ。移籍となれば二刀流継続、来年3月のWBC出場可否も問題になる。どうなる、どうする大谷――。

    敵地でのレイズ戦前、大きな衝撃が走った。エンゼルスはモレノ・オーナーが球団の売却を検討していると発表した。同オーナーは球団を通じて「20シーズンにわたり、エンゼルスを所有できたことは大きな名誉であり、特権でした。組織として、我々は手頃な価格で家族向けの球場での時間を提供し、最高の選手を含む競争力のあるラインアップを築く取り組みを行ってきました。難しい決断であり、たくさんのことを考える必要がありましたが、私の家族と私は、最終的に今がその時であるという結論に達しました」とコメントした。

 モレノ・オーナーは2003年にウォルト・ディズニー社から1億8400万ドル(約251億円)で球団を買収した。FAのスター選手を次々に獲得するなど積極的に補強。20年間で7度の地区優勝を飾ったが、ワールドシリーズに届かなかった。

 この突然の発表で真っ先に思い浮かぶのが23年オフにFAになる大谷の去就に及ぼす影響だ。2日(同3日)のトレード期限までに大谷へのオファーがヤンキース、ドジャース、メッツなど12球団ほどからあったが、モレノ・オーナーは拒否。今となっては球団売却を見越し、トラウトとともに“価値の高い”大谷を残したとも考えられる。今が最高の売り時だ。

 米スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサン記者は自身のツイッターに「売却による影響は計り知れないものになる」と投稿。3つの可能性を指摘し、そのトップに「大谷翔平のトレード、記録的な契約延長への扉が開く」と大谷の今オフトレードの可能性を挙げた。

 大谷は今季で2年契約が終了、今季年俸550万ドル(約7億5000万円)の大幅アップは確実。一部米メディアはメッツの右腕シャーザーの史上最高年俸4333万ドル(約59億円)を超える可能性を指摘。空前の巨額契約になるだろう。

 地元紙オレンジカウンティー・レジスターは「この売却は、最終契約年である2023年に少なくとも2500万ドル(約34億2000万円)の年俸が見込まれている大谷をエンゼルスがどうするのかという疑問を投げ込んだ。大谷を長期契約するかどうか、モレノ氏は恐らく、新しいオーナーに判断を任せたいだろう」と速報した。

 CBSスポーツ(電子版)は「エンゼルスの売却は、大谷翔平のトレードチャンスを広げる可能性がある」と伝えた。

 大谷の去就が不透明になる中、米メディアはトレードの可能性が高くなったと予想。そうなると難しい問題が浮上する。まずは二刀流を続けられるのかどうかだ。エンゼルスは先発を6人で回して中5日か中6日で登板できたが、中4日の球団が多い。二刀流で出場を続けることで蓄積する疲労、さらには肩やヒジへの負担が心配される。球団側が打者か投手専任を求めるケースもありそうだ。

 また、来年3月のWBC出場可否も影響するだろう。移籍1年目は本人も慎重になるだろうし、出場を認められないこともある。「打者だけ」と限定される可能性もある。

 ただ、年内に球団売却が成立して新体制に移行するとは限らない。数年かかるという見方もある。果たして大谷はどうなるのか。目を離せない。