案外〝ドル箱コンテンツ〟となるかもしれない。今年のプロ野球12球団合同トライアウトは7日に神宮球場で行われた。新型コロナ禍にあって無観客の中で最大の注目を集めた新庄剛志氏(48)は、シート打撃形式の第4打席で左前に適時打を放つなど3打数1安打、1打点、1四球。背番号1の予想以上の暴れっぷりにホクホク顔だったのが、当日のCS生中継に携わったフジテレビ関係者だ。

 実際〝新庄効果〟によって同局のCS加入者は大きく跳ね上がったという。同局関係者は「ネームバリューの高い参加者が出場すれば、やや地味な感のあるトライアウトも一気にスポットライトを浴びる。今回は新庄さんというスターによってそれが再確認できた」と打ち明け、今後の放映継続にも意欲をのぞかせていた。

 こうした流れ自体はNPBにとっても〝渡りに船〟と言える。球界関係者が明かす。「そもそもトライアウトは参加しても12球団からお呼びがかかる合格率はわずか5%台。そうした狭き門の舞台であるがゆえに一部から『果たして開催していく意味があるのか』と廃止論がたびたび持ち上がっているが、さすがに存続を要望する選手会の意見は無視できない。ただ新型コロナ禍のダブルパンチが重なって今後存続させていく上でも相応のコストがかかるNPBとしては何らかの方策を講じようとしている」(球界関係者)

 その妙案となりそうなのが、トライアウトの商業ベース化だ。NPBは理想として将来的にトライアウトの開催に関して放映権を持つテレビ局か、もしくは別の興行会社が主導する形へバトンを渡したい意向も持っているという。

 フジテレビだけでなくTBSも今年は新庄氏の密着ドキュメンタリーを番組化。そして同局は戦力外通告を受け、トライアウトに挑戦する選手たちの姿を追う密着番組も毎年年末に放映して好評を博している。来年以降、新庄氏参加のようなサプライズ的演出も含まれる形でテレビ局主導のショーアップされた「ニュー・トライアウト」が定着していくかもしれない。