【大下剛史の熱血球論】広島が最下位に沈んで苦しんでいる。就任1年目の佐々岡監督もさぞ頭を悩ませていることだろう。投手陣の不振、主力選手の負傷離脱など問題が山積している中で、私が気になっているのは堂林翔太内野手(29)の起用法だ。6日のDeNA戦(マツダ)ではスタメンを外れ、9回に代打で登場しただけだった。

 おそらく8月29日の阪神戦で痛めた左足首の状態が思わしくないのだろう。過密日程による疲労も考慮しての処置なのかもしれない。しかし、一軍にいる以上は堂林を先発で使い続けるべきだ。開幕から2か月半の躍進は目を見張るものでOBとしてもうれしい限り。ただ、本物のレギュラーになれるかどうか、今が重要な局面であることを忘れてはならない。

 今後も出たり出なかったりが続けば「一時期だけ頑張った選手」で終わってしまう恐れがある。それは堂林本人も本望ではないだろう。主力選手というのは何かしら痛みを抱えながらもシーズンを全うするもの。堂林には状況や体調次第で出場が左右されるような〝代わりが利く選手〟になってほしくはない。

 もちろん、選手生命にかかわるような重傷を押してまで出ろ、というわけではない。首脳陣は堂林と密にコミュニケーションを取り「一人前にしたい」という意図を伝えた上で起用すべきだ。何より大事に至らぬよう細心の注意を払い、場合によってはストップを掛けなければならない。選手を育成するには、そうした首脳陣の覚悟と管理能力も必要だ。厳しい戦いは今後も続くだろうが、佐々岡監督の腹を据えた起用法に期待したい。

(本紙専属評論家)