【米ニューヨーク28日(日本時間29日)発】女子テニスの世界ランキング10位・大坂なおみ(22=日清食品)が男女共催大会「ウエスタン&サザン・オープン」の準決勝に登場。同22位のエリス・メルテンス(24=ベルギー)を6―2、7―6(7―6)のストレートで下し、見事に決勝進出を決めた。

 試合前から異様な注目を集めた。2日前の準々決勝で逆転勝ちした直後、大坂は米ウィスコンシン州で非武装の黒人男性が警官に銃撃された事件への抗議として準決勝の棄権を表明。それに追随して大会主催者は1日中断する異例の措置を取り、納得した大坂は予定通り準決勝に出場することを決めていた。

 第1試合のコートに登場した大坂「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」のTシャツで登場。試合前はSNSで発信することはなかったが、無言のメッセージを発していた。さらに過去3戦とは異なる無地の黒マスクを着用。いつもと変わらぬ表情でウオーミングアップに入ったが、試合が始まると〝強いナオミ〟が待っていた。

 第1セットから圧倒した。第2ゲームで先にブレークを奪うと、持ち前の重い打球のストロークで次々とポイントを奪っていく。第6、8ゲームもブレークし、あっという間にセットを奪った。

 第2セットでは第2ゲームでウイナーを奪った際に「カモン!」とおなじみの雄たけび。このゲームをブレークしたが、続く第3、5ゲームとブレークされるなど4連続でゲームを落として劣勢に立った。だが、ここからが冷静だった。第8ゲームでブレークバックすると、第9ゲームでは0―40の劣勢から7度も相手にブレークポイントを与え、8度のデュースの末にしのいでキープ。結局、このセットはタイブレークに突入し、マッチポイントを迎えると右手を小さく握って精神を集中し、最後も強力なショットを決めて勝利した。

 抗議行動の際に「アスリートである前に黒人女性」と言った大坂。アスリートとしてではなく、一人の女性としてコートに立ったのだろうか。日本時間30日深夜の決勝に勝てば、より強いメッセージを発信できるはずだ。