みなさんは「リザードマン」をご存じだろうか。ファンタジー系RPGなどによく雑魚モンスターとして出てくる亜人種で、トカゲが大きくなって二足歩行しているような外見をしている。みなさんもゲームなど創作の世界で一度は目にしたことがあるだろう。筆者たち40代後半にとっては仮面ライダーの怪人を連想させてくれるかわいいキャラクターだ。

 無論、創作上のキャラクターのはずなのだが、そんなファンタジー作品の生物を実際に目撃したという人物がいる。

 1988年、米国・サウスカロライナ州でクリストファー・デイビスという当時17歳の少年が、父親の車を運転して家路を急いでいた。時刻は深夜2時ごろだったという。だが、不運にもタイヤがパンクしてしまい、彼はスケープ・オール沼に面した道路脇に停車してタイヤを交換しようと外に出た。その時、背後から赤く光る目の怪物が彼に向かって走ってきたのだという。

 彼は慌てて車に乗り込んだが、怪物は発進が遅れた車の窓から手を差し込んで来た。彼によると、その手は緑色で指が3本、黒く長い爪を備えていたという。すぐに車を発進させたが、今度は怪物が車のルーフに飛び乗ってきた。車を左右に振って何とか怪物を振り落とし、逃げ帰ったのだそうだ。

 彼の証言によると、怪物の身長は7フィート(約2・1メートル)程度、全身は緑色でトカゲに似ていたという。彼が乗っていた車にはあちこちに引っかき傷があり、ルーフに飛び乗ってきた時につかんだのかバックミラーがねじ曲がっていたという。

 この怪物の正体については諸説あり、鋭い爪と力を兼ね備えた動物ということでクマの誤認説を唱える研究者もいる。しかし、彼の証言があまりに詳細であること、そしてクマには不可能ではないかと思われる行動を見せていることなどから疑問符が付いている。

 彼が目撃してしばらくの間は、スケープ・オール沼近辺で類似の怪物の目撃証言が相次いだ。しかし、次第に目撃証言も減っていき、いつしか街の噂の一つとして埋もれていったと、思われていたが…。

 なんと襲撃事件から20年後の2008年に「再びリザードマンが現れた!?」と近隣住民がパニックになる事件が起きたのである。

 同年2月、サウスカロライナ州ビショップヴィルに住むローソン夫妻が朝起きると、自宅の愛車が何者かによって破壊されていた。ボンネットには獣の爪痕が無数につき、何かがかんだような痕も残っていた。近くには牛とコヨーテの死体があり、また、夫妻が飼っていた猫も行方が分からなくなっていたという。

 夫妻や近隣の人々は車に残された爪痕などを見て、「あのリザードマンが帰ってきた!」と噂し合ったという。

 地元の保安官によれば、車を破壊した犯人は恐らく、現場で死体となって発見されたコヨーテではないかと見ているようだ。しかし、20年たった今でもリザードマンが現れ、また地元の人々の話題に上がるということは非常に興味深い。

 この都市伝説的な怪人リザードマンの正体はなんであろうか。一部のUFO信者は爬虫類タイプの宇宙人「レプタリアン」だと主張しているが、あまり知性を感じない。

 また、UMA研究家の中には逃走した類人猿ではないか、あるいは「ビッグフット」と関連があるのではないかと主張しているが、これも巨大な爪や爪痕が説明不可能である。

 常識的に考えれば、誰かが着ぐるみを着て悪ふざけをやったか、「ヤギ男」などと同じく悪魔崇拝系のカルト教団が獣の皮を頭部にかぶって儀式をやっていたのではないかと判断するのが妥当であるが、これらのフォークロア(古くから伝わる風習や伝承)の成立の背景には、いくつかの材料がある。

 まず、恐竜がヒューマノイドタイプまで進化したら誕生したはずであろう「恐竜人」や、世界を爬虫類人が支配しているという米国ドラマ「V」などがその成立に影響を与えている可能性が高いといえよう。