大阪のシンボルタワー「通天閣」の新たな名物として誕生した体験型アトラクション「TOWER SLIDER」が28日、報道陣に公開された。
スライダーは地上22メートルの通天閣3階から、エレベーター塔の外周を1回転半し、地下1階(地下4・5メートル)までの全長60メートルを約10秒で滑り降りる。斜度は約30度でスキージャンプ・ノーマルヒルとほぼ同じ。料金は1回1000円。対象年齢は7~65歳で、身長120センチ以上、体重100キロ以下の制限がある。
年間100万人の入場客がいた通天閣もコロナで大打撃を被った。通天閣観光の高井隆光社長は「経済が疲弊した中で、大阪を何とか盛り上げよう」と、通天閣の免震工事を請け負っていた竹中工務店に地域経済の活性化も見据えた新たな魅力発信ツールを相談。バンジージャンプやロッククライミングも候補に挙がる中、安全第一で滑り台の設置が決定し、“工場の街”東大阪の株式会社タンデムが工事を担った。
とはいえ、塔に巻き付く滑り台など国内に前例はなく難作業の連続だった。工事が決まったのは昨年12月で、4月の免震工事終了に合わせて設置を完了する必要もあった。
タンデム社の今西浩司専務取締役は「何度も受けへんかったらよかったと思いました。高井社長に見つからんように隠れたりしてました」と振り返る。
エレベーター塔の設計図には円形と書かれているが、実測してみるといびつな楕円だったり、ずれが生じていたりと取り付けに難航。取り付け角度の問題にも直面した。
さらに、滑る人の服装でスピードが変わることのないよう調整するのも苦労した。湿度や摩擦によるほこりの発生など外部条件に左右されるからだ。高低差によって発生する上昇気流の問題もあったという。
それでも、試行錯誤を繰り返して完成。今西専務は「何度もくじけそうになったが、高井社長の思いに応えるためと大阪のシンボル・通天閣の作業をやっているんだという気持ちで乗り越えました」と胸を張った。
工事に3億円を投じた高井社長は「身の丈に応じてない建設かもしれないが、タワースライダーを起爆剤にして1人でも多くの人に来てもらいたい」と呼びかける。大阪の気概と技術が詰まったスライダーは5月9日にオープンする。












