ソフトバンク・今宮健太内野手(30)が偽らざる胸中を明かした。開幕を1週間後に控えた17日は本拠地ペイペイドームで全体練習に参加。改めてショートへの強いこだわりを示した。

 不動だった「正遊撃手」の座を明け渡し、キャンプから「競争」の真っただ中を走り続けてきた。オフから課題の打撃面で手応えを感じていただけに「ずば抜けないといけないと思っていた」と、思い描いた結果を残せなかった悔しさがにじんだ。ここまでのオープン戦打率は2割6分1厘。3割超えを自分自身に求めていただけに「最低限の結果しか出ていない」と唇をかむ。

 人よりも周りが見える分、置かれた境遇は理解してきた。数字に表れない存在感で「内野の要」として不動の地位を固めた男も、度重なる故障の影響もあって昨季まで4年連続の規定打席未到達。今オフには球団がメジャー通算109発を誇る遊撃を本職とするガルビスを獲得した。昨年末から「相当厳しい戦いになる」と覚悟を語っていた。強烈な〝向かい風〟を跳ねのけて「競争」に勝つために「ずば抜けないといけない」立場だった。

 ガルビスが寝違えの影響で実戦をこなせていないが、万全なら優先度は大物助っ人に分がある。それでも今宮は〝自分の庭〟への強いこだわりを捨てず「ショート一本」に絞っている。「いろんなところでサードって話もあったんですが、自分の中で今年はもう一回ショートでって気持ちがあった。まずはそこで挑戦しながら、この先のいろんなことを考えた時にはいろんなポジションをやりながら自分の生きていく道を見つけないといけない時も来ると思うんですが、それはそれ。今年はしっかりショートとして勝負していきたい」。歯を食いしばって、いかに踏ん張れるか――。「レギュラーとして開幕から出ることが一番直近の目標。(オープン戦)残り3試合、自分のやるべきことをやって迎えたい。開幕に向かうまではそこを目標にしてやっていきますが、そうじゃなくなったとしても、まだその先がある」。

 チーム内で「今宮がシーズン通してショートに収まるのが一番」という声はこれまでと変わらず根強い。昨季のBクラス低迷も今宮自身が責任を痛感している。「不動の遊撃手」がいて、チームに安定した戦いがもたらされる。「(競争を)勝ち抜きたい」。誰よりも負けん気の強い30歳の底力が試される。