大攻勢をかけてセイヤ・スズキを射止めたのは、ナ・リーグ中地区の名門球団カブスだった。

 昨季は71勝91敗で地区4位。再浮上を狙う球団は今オフ、積極的な補強を展開中だ。その中においても外野手の補強が至上命題となっており、昨年11月には「レッド・サンダー」の異名を持つクリント・フレイジャー(27=前ヤンキース)、同12月にコロンビア出身のハロルド・ラミレス(27=前インディアンス)の右打者2人を新たに獲得している。しかし新戦力とはいえ両者はやや実績不足の感が否めず、同じ右打者でも外野の要となる存在として日本球界屈指の5ツールプレーヤー・鈴木誠也の獲得に水面下で全力を注いでいた。

 主な外野手としてはラファエル・オルテガ(30=103試合出場、打率2割9分1厘、11本塁打、33打点※以下昨季成績)、イアン・ハップ(27=148試合出場、打率2割2分6厘、25本塁打、66打点)、ジェイソン・ヘイワード(32=104試合出場、8本塁打、打率2割1分4厘、30打点)、昨季途中にアスレチックスから加入してメジャーデビューを果たした新鋭のグレッグ・ダイクマン(26=14試合出場、0本塁打、1打点)らが名を連ねている。鈴木がMLBに問題なくアジャスト(順応)できれば、インパクトに欠けるカブスの外野陣に新風を吹き込むことになりそうだ。

 ちなみにカブスは他にも今オフ、前アスレチックスのヤン・ゴームズ捕手(34)、前メッツのマーカス・ストローマン投手(30)といったFA大物2選手に加え、昨季レッズでノーヒットノーランを達成したウェード・マイリー投手(35)も次々と獲得するなど大型補強に余念がない。15日にはツインズからFAとなっていたゴールドグラブ賞4度の名遊撃手アンドレルトン・シモンズとも1年400万ドル(約4億4000万円)プラス出来高で契約合意に至ったばかりだ。

 近年は看板のベテラン選手でも出し惜しみなく他球団へ放出し、埋もれ気味の有望な若手選手を数多くトレード等で獲得する「プロスペクト獲得主義」を取り入れて成功させている。昨季もチームが失速してポストシーズン進出の見込みがほぼなくなったタイミングを見計らい、7月半ばからわずか半月の間で7球団を相手に計8件ものトレードを成立させるなど〝血の入れ替え〟を断行。各MLB球団の間でも「ドライな方針が功を奏し、球団全体を活性化させている」と評価され、こうしたカブスの編成スタイルはトレンドとなりつつある。