有言実行の大一番だった――。北京パラリンピックアルペンスキー女子回転座位(12日、国家アルペンセンター)で日本選手団主将の村岡桃佳(25=トヨタ自動車)は5位に終わり、出場全5種目での表彰台は逃したものの、その表情は充実感であふれていた。

 陸上との〝二刀流〟に挑戦してきた村岡は、昨夏の東京パラリンピック陸上女子100メートル(T54)で堂々の6位入賞を果たした。新型コロナウイルス禍により1年延期となった影響で、北京パラリンピックまでは半年ほどしかなかったが「2年半陸上に全力を注いできたっていうことに対しての後悔が1ミリもない。不安な気持ちは変わらないが、ある意味開き直った」と急ピッチで調整を進めた。

 大会前には1月中旬に右ヒジの靱帯を痛め、約3週間雪上練習ができなかった。決して万全な状態だったわけではない。しかし、村岡はかつて強い覚悟を口にしていた。

「二刀流の挑戦は東京パラリンピックに出場して決勝に進めたことでやっとスタートに立てたと思う。私にとって今回の北京パラリンピックで長いプロジェクトが完結するので、北京ではメダル獲得を目指していきたい。東京のときのようなやり切ったって感じやすがすがしさみたいなのが今でもずっと心に残っているので、同じように北京でゴールして笑ってこの挑戦を終われたら」

 フタを開けてみれば、今大会は金3、銀1の計4個のメダルを獲得。パラリンピック界の歴史に新たな1ページを刻んだ。

「やり切ったなという達成感がある。金メダルを今大会で3つ獲得できて、自分にすごくいい点数をつけられると思うぐらいのレースができた」

 一躍脚光を浴びた平昌パラリンピックから4年。プレッシャーと戦い抜いた村岡は、宣言通り満面の笑みで今大会を締めくくった。