おいしく進化中! インスタント麺ガイド

「ステイホームで食べる機会が増えた」という人も多いインスタント麺。テレビなどでも活躍する愛好家の大山即席斎氏が、この時期こそ食べたい麺や話題の新商品、さらには意外なアレンジ術を紹介する。

寿がきや「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」

 辛辛魚は西武池袋線石神井公園駅前に店を構える行列店「麺処井の庄」の人気ラーメンを再現した一品だ。
 新商品が出ては消えが普通となっているインスタント麺業界であるが、こちらの商品は10年以上にわたり、毎年春が訪れる前ごろに登場する恒例商品となっている。激辛マニアが毎年待ちわびているわけだ。

 辛辛魚はお店でも食べたことがあるが、スープと丼の中央部にこんもりと盛り上がる赤い粉末の再現性は見事。

 ライトな赤色をした先入れかやく入り粉末スープを入れて熱湯をかけて4分間待ち、そして赤黒いドロリとした液体スープを加えた段階ではスッキリとした辛さになる。最後に大さじ山盛り一杯分はある赤くてかつお節など魚介風味の「後入れ粉末スープ」も入れて仕上げる。その結果、血の池みたいなドロドロで、激辛好き御用達の辛さになる。

 食べていると辛さで顔が熱くなってくるが、魚介系の旨みや風味があるおかげで激辛なのに食べやすさがある。ちぢれた幅広平打ちの麺は、かみごたえのあるシコシコかつモチモチした食感。かやくはネギのみ。強い辛みと魚粉にコストを集約させていることがわかる。

まるか食品「ペヤング イカスミマヨやきそば」

 ラーメンの色といえば伝統的に茶・赤・黄・白が主で、インスタント麺の色もそれに準じてきた。だが近年は黒の人気が高い。黒褐色のものは以前からあったが、富山のローカルラーメンとして親しまれてきた「富山ブラック」が人気となって以降、漆黒と呼べるような黒さのインスタント麺も多数出てきた。

 奇抜な商品を多数登場させているペヤングからも黒の新商品が登場。こちらの黒はイカスミで実現している。

 麺はいつものペヤングの麺。そこに漆黒の液体ソースとクリーム色をしたマヨネーズをかけてからめて出来上がり。塩味ベースにイカスミやいかエキスを加えたスッキリした味わい。さらにマヨネーズでコッテリ感とほどよい酸味も付加される。かやくはキャベツ・イカ・フライドガーリック。ガーリックの風味もかなり強く効いている。奇抜さだけでなく、味もしっかりとまとめてあるのがペヤングならではだ。

江崎製麺「恋のくに筑後 運命の赤い糸ラーメン」
 江崎製麺「恋のくに筑後 運命の赤い糸ラーメン」
江崎製麺「恋のくに筑後 運命の赤い糸ラーメン」

 バレンタインは先日終わったが、3月14日にはホワイトデーが控えており、ただいま恋愛成就月間なのだと言える。そんな恋愛を応援するインスタント麺が存在することをご存じだろうか。こちらの「運命の赤い糸ラーメン」だ。

 なにやら恋愛に御利益のありそうなピンクのパッケージで、中にはラーメン2食入り。

 液体スープで作るクリーム色に濁ったつゆは、味は濃厚で適度にこってり感もあるとんこつ味で、塩の辛みもわりとある。四角っぽい断面のちぢれていないピンク色をした棒麺は、モッチリ感がありつつシコシコした食感。麺の色を出すために梅干しや赤しそ粉末が練り込まれている。なので麺にはうっすら酸味がある。かやくとしていりごま・ねぎ・梅花形かまぼこ入り。

 2食入りなので恋愛が成就したらカップルで仲良く食べてほしい。

今月のアレンジ術!
 カップ焼きそばを炒める
カップ焼きそばを炒める

 我々は普段カップ焼きそばを焼きそばだと思って食べている。しかし「焼きそばなのに焼いてないじゃないか」という指摘は時々SNSをにぎわすことがある。そう、汁がなくてソース味だということで焼きそばだと思いこんでいるだけなのだ。

 M―1グランプリで優勝した錦鯉長谷川のネタにも「カップ焼きそばはゆでそばだ」というのがある。ゆでそばであるカップ焼きそばには鉄板で炒めた油の焦げ感がない。過去には麺に焦げた香りをつけた商品も登場したが大ヒットには至らなかった。なのでカップ焼きそばをフライパンで炒めて作るのを試してみた。「だったら袋麺の焼きそばを作ればいいではないか」という異論もあるだろうが、袋麺を作るのにもけっこう慣れが必要で意外と簡単ではないし、ペヤングを炒める専用ホットプレートが発売されているほどなので、炒めるニーズがあることもわかる。

 今回は王道中の王道、日清UFOを使用。いったんUFOを通常通りに作り、そのあとフライパンに移して炒めた。テフロンを使えば油なしでもいけそうだが、焼きそばらしさを出すためにうっすら油を引いた。そして麺が軽く焦げる程度まで炒めて出来上がり。

 麺に焦げと油の風味がつくことで、祭りの屋台で食べる焼きそばっぽく仕上がった。いつものUFOとは焼きそばらしさが段違いだ。ひと手間増えるが、これはぜひとも試してほしい。

 ☆おおやま・そくせきさい インスタント麺愛好家。カップ麺、袋麺、ラーメン、焼きそば、うどん、そば、まぜそばから海外製品まで、年間600食の即席麺を食べる。1995年、「TVチャンピオン インスタント麺通選手権」優勝。「マツコの知らない世界」出演。ツイッターは【@Sokusekisai】。