鷹の将は人知れずヤセていた――。年明け、ソフトバンク・藤本博史監督(58)は「ヤセたんかヤツレたんかは分からんけど、一時は3キロヤセたんよ」と打ち明けた。一軍監督の重圧…ではなく、背景には人望の厚い指揮官らしい〝深イイ〟理由があった。

 藤本監督は昨秋キャンプの終盤、リチャード内野手(22)にオフの〝肥大化防止策〟として、春季キャンプ主力組スタートの条件に「体重118キロ以下キープ」を厳命した。食欲旺盛で知られるロマン砲は、例年オフを過ごすと120キロオーバーで合流してくる。毎年1月に西武・山川らと地元沖縄で自主トレを行っており、大好きな故郷の味をリミッター解除で楽しむため、毎オフ肥大化していた。

 食べたら走り込むか、嫌なら食への欲求を我慢するか…。かつて「ビッグベイビー」と呼ばれ、メンタル面の弱さが課題だったリチャードにとっては厳しいハードルだった。

 そんな〝泣き所〟を知るからこそ、オフには指揮官自ら節制生活を送っていた。「リチャードに『ヤセろ』って言っている人間が(再会時に)太って来たら示しがつかんやろ」。リチャードに寄り添う気持ちがスマート化の真相だった。

 リチャードは先月末、新型コロナに感染したものの、3日に待機期間を満了して復帰。それに合わせるように藤本監督はリチャードの体重ノルマの成否について「ちゃんとヤセて沖縄から帰ってきたよ。114キロで帰ってきましたって報告があった」と公表した。

 指導者人生の中で「選手に寄り添う」ことをモットーに掲げてきた。選手から慕われる理由が確かにある。