決して諦めなかった――。スピードスケートの北京五輪代表選考会初日(29日、長野・エムウェーブ)、男子500メートルが行われ、2010年バンクーバー五輪銅メダルの加藤条治(36=博慈会)は、最終コーナーで転倒。54秒35の25位に終わり、5大会連続の五輪出場は絶望的となった。

 表情は晴れやかだった。28日は公式練習前に、自動車で追突事故に遭い、練習をキャンセル。影響は「全くなかった」と最初の100メートルを全体4位の9秒58で通過したものの、最終コーナーでまさかの転倒。それでも「自分のやってきたことに誇りを持っている。転んだ瞬間に諦めていない自分がいた。転んだあとのルールは知らないが、失格にならない限り順位はどうなるか分からない。やっぱり一番大事なのは絶対に諦めないこと」と最後まで滑り抜いた。

 再び夢舞台に戻ることができなかったとはいえ、これまでの軌跡を「好きなことをただやってきただけだが、自分が頑張ってきたことは褒めてあげたい」と回想。その上で、今後については「まだその辺は何も答えられない。自分だけでは決められないので、これから決めていく」と明言を避けた。

 4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪は「完全に無理です」と苦笑いを浮かべた一方で、レース後には会場から盛大な拍手を浴びた加藤。存在感はやはり別格だった。