西武へ6年ぶりに復帰した炭谷銀仁朗捕手(36)が〝3球団目の新天地〟で地固めを進めている。

 炭谷は第1クール最終日となった9日もブルペンに足を運び、復活を期す増田の40球、3年目の飛躍が期待される隅田の81球をミットに収めた。キャンプ初日の6日から4日連続のブルペンで投球を受けたのは、20人いる投手陣のうち7人となった。大先輩に投げ込んだ隅田は「炭谷さんからは『(右打者への)クロスファイアーが独特。いい意味でいろいろな方向に動く』という言葉をもらった。僕もそういう意識で投げているので、そこをもっと伸ばしていきたい」と初セッションに満足そうだった。

 炭谷は19年目のベテランとはいえ、前回在籍した2018年当時からはブランクがある。そのため、開幕に向けて投手陣との信頼関係を築くプロセスを2段階に分けている。現在は第1段階で相手の話を聞くことに徹しているという。

「キャンプ中は聞くことだけ。自分の特徴は何で、どうしていきたいのか。こうした方がいいよ、ということは言わない」

 そして実戦での結果が表れてくるオープン戦から、バッテリーとしてすり合わせ作業に入っていく。段階を設けるのは投手心理に気を配っているためだ。

「ピッチャーって本当に結果が出ないと納得しないんですよ。例えば隅田に『お前のカーブいいよ』と言ってもカーブを投げるのは勇気がいる。だから『お前のカーブはこういう効果がある』ということを、試合のどこかで結果で示してあげないと説得力がなくなる。そこが難しいところ。それをするのがオープン戦。まずは僕の思うようにやってみて、そこからのすり合わせです」

 古巣とはいえ、前回とは投手陣も大きく様変わりした。炭谷は「巨人、楽天に続いて新しい球団に行くのはこれで〝3球団目〟。全体の雰囲気や首脳陣、裏方さんは知っているからやりやすい。でも試合の中での対ピッチャー、バッテリーという作業に関してはまた一からです」と地道に絆を深めていく。