新型コロナウイルスのワクチン接種拒否により全米オープン(29日開幕)への出場が絶望的になっているノバク・ジョコビッチ(セルビア)に、大逆転で出場が許可される可能性が浮上してきた。

 セルビア紙「ブリック」は「米疾病予防管理センター(CDC)は金曜日に措置を緩和する決定を発表し、予防接種を受けていない人も受けた人とまったく同じ権利を持っていると発表した。外国人に対する措置の解除はまだないが、もしかしたら解除されるかもしれない」と報道。米国は未接種に対する規制を緩和する方向に進んでおり「CDCは旅行対策に関する発表を間もなく行うと発表している。これにはまだ希望が残っている。今後近いうちに、CDCがヘルスケアシステムに関するものなど、既存のガイダンスを修正するために取り組む」と外国人の未接種者への緩和も撤廃され、ジョコビッチに参加が許可される可能性が急転して出てきたと指摘した。

 実際に米国では、一般レベルではワクチン未接種者への緩和は始まっていると主張。フランスの有名ジャーナリストであるクエンティン・モネ氏のSNSへの投稿を引用しながら「モネは誰もワクチン接種の証拠を求めなかった米国への旅行の経験を共有した。これはワクチン接種に関する立場がよく知られているノバクにも適用される可能性がある」とした。モネ氏は米国へ入国する際や現地での生活中もワクチン接種の有無を問われることは全く確認されることはなく、米国ではすでにワクチン未接種への緩和が進んでいる実態があるとしている。

 もちろん有名人であるジョコビッチが全米オープンに参加する際には正式な手続きを踏む必要があるが、こうした実態からテニス界では出場を許可するよう求める動きが高まっており、米国政府が大会直前にゴーサインを出す可能性があるようだ。

 ワクチン接種を巡って社会問題にもつながるジョコビッチの処遇は、世界中で注目されそうだ。