男子テニスの元世界ランキング1位のボリス・ベッカー氏(53)が、うつ状態を告白して4大大会・全仏オープンを棄権した大坂なおみ(23=日清食品)について批判的な見解を並べた。

 大坂は全仏オープン開幕前にSNSで会見拒否を宣言し、1回戦勝利後に実行。罰金(1万5000ドル=約165万円)を科され、主催者側から大会からの追放や他の4大大会出場停止の可能性を通告された。するとSNSで〝反論〟を投稿したが、一転してうつ状態であることも告白して大会の棄権を表明していた。その後、現在開催中のウインブルドン選手権は欠場したが、東京五輪には出場する見通しとなっている。

 そんな中、ベッカー氏は、英紙「タイムズ」にプレッシャーを感じることからメディア対応を拒否した大坂の姿勢を批判。「メディアに対応できなければ、プロテニス選手としてやっていくのは難しいだろう。ツアーはメディアなしでは成り立たないし、メディアなしに賞金やスポンサーへの支払いを行うことは難しい。メディア対応は楽しいものではないが、これは仕事の一部。対処を学ぶべきだ」と強調した。

 さらに「彼女は23歳と若く、健康で裕福で家族にも恵まれている。どこにプレッシャーがあるというんだ。プレッシャーというのは、本当に食べ物がなかったり、家族を養わないといけないのに仕事がないとか、選手生命にかかわる大ケガしたときに感じるものなんじゃないか」と疑問を投げかけた。もちろん精神面は本人にしかわからないだろうが、ベッカー氏は大坂の一連の行動に〝わがまま〟な部分が見えたようだ。