女子テニス世界ランキング2位の大坂なおみ(23=日清食品)が「うつ病」に悩まされていたことを告白。参戦中だった4大大会「全仏オープン」(パリ)の棄権を発表した。突然の事態に大会関係者は大慌てとなっているが、次の4大大会「ウィンブルドン選手権」(28日開幕、英国・ロンドン)にも影響が及んでいる。

 大坂は30日の初戦快勝後、大会前の宣言通り記者会見を拒否。これに対し、大会主催者は罰金1万5000ドル(約165万円)を科した上で、4大大会(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)主催者は共同の声明を出し、今後も違反が続けば大会の失格や他の4大大会の出場停止の可能性を通告していた。

 その後、ウィンブルドン選手権の公式ツイッターは全仏主催者の声明をいち早くリツート。最も厳格と言われるウィンブルドンの強烈な〝けん制〟であったが、SNS上では「若者をテニスから遠ざける方法だ」「選手のメンタルヘルスを心配する一人のプレイヤーへ脅しではないか」「ナオミをいじめたことを恥じよ」との批判が断続的に書き込まれている。

 大坂は大会前に「アスリートの心の健康状態が無視されていると感じていた。自分を疑うような人の前には出たくない」と試合後の会見拒否を表明。罰金とさらなる制裁で対応した両者の折り合いがつかないまま、最悪の結末を迎えた。大坂は「私は2018年の全米オープン以降、長い間うつ病に悩まされ、その対処に本当に苦労してきました」と告白しているだけにウィンブルドン欠場は濃厚だ。