【五輪取材班便り】日本卓球界の歴史が動いた混合ダブルス決勝(26日)で、記者席をザワつかせる一幕があった。それは水谷隼、伊藤美誠組が中国ペアを相手に3―2でリードして迎えた第6ゲームでのことだった。

 中国の劣勢に焦りを感じたのか、現地メディア関係者と思われる男性が、記者に割り当てられたスペースの最前列から大声でエールを送り始めたのだ。おそらく中国語で「頑張れ」と言っていたものと思われる。そんな男性の声援に続くように、中国選手団が陣取った席からは声援が聞こえてきた。

 コロナ禍対策として無観客開催になったにもかかわらず、明らかなマナー違反。これに周囲は「おいおい、いいのか?」「あれはちょっとダメだろ」などと困惑気味だ。あるメディア関係者が現場担当の組織委関係者に注意するように求めたが、権限がないのか受け入れられなかった。

 その後、同ゲームを中国ペアが奪って3―3のタイに持ち込むと男性を中心に選手団、他の中国メディア関係者と思われる人まで一気にボルテージが上がったが…。結局、大騒ぎの男性は別のメディア関係者から注意を受け、サイレントモードに。中国ペアも敗れ、肩を落としていた。