世界水泳(ブダペスト)のアーティスティックスイミング(AS)のソロ・テクニカルルーティン(TR)で金メダルを獲得した乾友紀子(31=井村ク)に、ロシアメディアが〝恨み節〟だ。

 乾は92・8662点でソロとして日本勢初の優勝という快挙を果たした。そうした中、同種目で強豪のロシアがウクライナ侵攻により国際大会への出場が禁止されたため、連覇が途絶えて不満を高めている。

 ロシアメディア「スポーツデーリー」は「世界水泳のアーティスティックスイミングは通常、ロシアの観客から関心を集めるが今回は違う。ロシアのアスリートは今年の大会への出場を許可されていない。そのため、大会初日に歴史的な出来事が起きた。世界選手権のソロプログラムでロシア勢のシンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミングの旧称)選手の連勝が途切れた」とロシア勢の連勝がストップしたことを中心に報じた。

 金メダルを獲得した乾については「これまでずっとこのタイトルを辛抱強く待っていた」と一定の評価をしつつも「メダル争いは強豪選手抜きで行われ、外国人選手はこの15年間尊敬を集めてきた選手たちを見ることができない」とロシア勢が不在の世界選手権は低レベルと断罪。そして「世界トップ選手との競争がなければ、シンクロナイズドスイミングは長くは続かない」と競技が存続の危機を迎えると指摘した。

 ロシアにとってはお家芸での出場が認められず、納得がいかないようだ。