さすがの泳ぎだった。競泳のアジア大会代表選考会兼日本選手権3日目(30日、横浜国際プール)、女子200メートル個人メドレーは、東京五輪2冠の大橋悠依(26=イトマン東進)が、2分10秒70で3年ぶり4度目の優勝。若手たちを前に、改めて存在感をアピールした。

 予選は15歳の成田実生(金町SC)がトップで通過。しかし、大橋に焦りはなかった。「一回り年下の選手たちにまだまだ負けるつもりはない」。序盤から好位置につけると、最後の自由形でトップに躍り出た。「今日は予選から丁寧にきれいに泳げた。決勝も(2分)10秒台がとりあえず出せたので、現状やってきたことの確認はできた」と振り返った。

 3月の国際大会代表選考会では、個人メドレー2種目で優勝を逃した。「乗り越えないといけない」と五輪女王の重圧に押しつぶされそうになった。それでも「とりあえず泳ぎ込んで、メンタル面とは関係ない部分をまず穴埋めしていくことが必要だと思った」。練習を重ねる中で、自分のやるべきことに集中した。

 6月に開幕する世界選手権(ブタペスト)は五輪女王として挑む。「200(の個人メドレー)から始まって、最終日がいつも通り400(の個人メドレー)なので、まずは200で戦っていくことが必要になってくる」と展望を口にした上で「どういうランキングになるか分からないが、そんなに上の方にいないと思うので、気楽に番狂わせを起こせるような、その過程も楽しみながらチャレンジしていきたい」と不敵な笑みを浮かべた。