明るい兆しが見えてきた――。競泳の北島康介杯(東京辰巳国際水泳場)で萩野公介(26=ブリヂストン)が男子200&400メートル個人メドレーで優勝。半年後に迫った東京五輪を前に、長いトンネルを抜け出した。

 23日の400メートル個人メドレーでは、最後の自由形で後続を引き離すなど、全盛期をほうふつとさせる泳ぎを披露。「トータルタイムも満足いくものじゃないが、一日の中では成長できたと思う。やりたいことをレースの中でできたので、次につながる」と手応えを口にした。

 1992年バルセロナ五輪女子200メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子氏(42)も「この時期の泳ぎとしてはよかったと思う。今回のレースはすごく自信を持って臨めたんじゃないかな」と高評価。ケガなどの影響で苦しむ時期が続いたが「状態がいい時の泳ぎばかりを追い求めてしまうこともあったと思うが、そういうところからは抜けたかなという感じがある」と太鼓判を押した。

 萩野は4月には東京五輪の代表選考会を兼ねた日本選手権(東京アクアティクスセンター)へ向けて「世界のライバルたちもいい記録で泳いでいる。僕も負けずに頑張っていきたい」と意気込んだ。