白血病で長期休養していた競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が29日、東京辰巳国際水泳場で行われた東京都特別大会50メートル自由形に出場し、26秒32をマーク。10月の日本学生選手権(インカレ)の参加標準記録(26秒86)を突破した。

 スタートから勢いよく前に出た池江はスピードが落ちることなく1着でフィニッシュ。プールサイドに上がってプールを振り返り、一礼をすると、その後は歩きながら涙を流した。

 昨年1月の三菱養和スプリント以来、1年7か月ぶりの実戦を終え、池江は「すごい緊張していたんですけど、目標は26秒8を出すことだったので、そのタイムを大幅に更新することができて、いい形でスタートできたんじゃないかなと思います」と語った。

 昨年2月に病名を公表して闘病生活が始まり、骨髄移植の治療を経て同12月に退院。今年3月には406日ぶりのプール入水、6月に西崎勇氏(41)をコーチに新たな指導体制をスタートさせ、先月は20歳の誕生日を前に練習を公開できるまでになった。

 また、自身のSNSの更新だけでなく、来夏に延期となった東京五輪の1年前セレモニーでは、アスリートや関係者に「逆境からはい上がっていく時には、どうしても希望の力が必要」とメッセージを発信するなど、積極的に表舞台に立ち続けた。

 水泳界のヒロインは「まずはインカレ。それと一番の目標は(2024年)パリ(五輪)に出場することなので、それに向けて、今全力でタイムを出すとかではなく、パリに向けて体を戻していければ」と語す。第2の競泳人生が始まった。