来年夏の東京五輪開催の〝試金石〟となる国際体操連盟(FIG)主催の国際交流大会「Friendship and Solidarity~友情と絆の大会~」が8日、東京・国立代々木競技場で開催された。

 今大会は日本、ロシア、中国、米国のトップ選手が参戦。新型コロナウイルス禍以降で初めて国内で開催される国際大会であり、東京五輪のモデルケースになると期待されている。

 開会セレモニーでは東京都の小池百合子知事(68)、萩生田光一文科相(57)、橋本聖子五輪相(56)らの政府関係者が紹介。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長(66)は「スポーツの大会を安全に開催できる例となる。来年の五輪で会いましょう」とビデオメッセージを寄せるなど、改めて注目の高さをうかがわせた。

 また、開会に先立って体操界のキングこと五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)は「このようなコロナ禍の中でお客さんを入れて試合できることにすごく喜びを感じてます」とあいさつ。さらに「こうして制限がある中でもスポーツの試合をやって、皆さんに夢や希望を与えることが僕たちの使命。夢と希望を与えるような選手じゃないと来年の五輪につながらないと思います」と熱い思いを口にしつつ、「今日は声を出して応援ができないかもしれないですけど、立ち上がって歓声を上げたいくらいの演技ができればいいと思っています」と力強く宣言した。

 一方、昨年秋の世界選手権個人総合金メダルのニキータ・ナゴルニー(23=ロシア)は「この機会をくださった国際体操連盟と日本体操協会に感謝したい。今日の大会を通してコロナの中でも五輪を安全に行うことができることを世界に見せたいと思います」と語り、最後に日本語で「アリガトウゴザイマシタ」と言うと、会場から拍手が湧き起こった。