欧州ツアーがサウジアラビア政府系ファンドが支援する超高額賞金の新ツアー「LIV招待」に参戦した選手へ制裁を科した。

 すでに米ツアーはフィル・ミケルソン(52)、ダスティン・ジョンソン(38=ともに米国)ら新ツアー参加の17選手に出場停止とした中、欧州ツアーも動いた。今月初めに英ロンドン近郊で開催された開幕戦にツアーに無許可で出場したため、ツアーメンバーであるリー・ウエストウッド、イアン・ポールター(ともに英国)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、マルティン・カイマー(ドイツ)らが対象となった。

 10万ポンド(約1600万円)の罰金に加え、米ツアーとの共催大会となる来月の「スコットランドオープン」「バーバゾル選手権」「バラクーダ選手権」の出場禁止となった。英紙「ガーディアン」によると、欧州ツアーCEOのキース・ペリー氏は「簡単に言えば、何人かの会員が、トーナメントの規則を故意に破ったということだ」と処分の理由を説明した。

 新ツアー参戦選手もR&A主催の「全英オープン」(7月14日開幕)に出場できるが、欧州ツアー側もこれで処分を終えるつもりはない。来週にオレゴン州で行われる「LIV招待」第2戦に出場した場合、当該選手にさらなるペナルティーを科すという。米ツアーから締め出され、欧州ツアーも加われば、活躍の場はますます限られそうだ。

 とはいえ新ツアーで巨額賞金を得られ、さほど痛手はないと考えていたら、処分の意味は薄れていく。しかも「LIV招待」のCEOを務めるグレッグ・ノーマン(67)は、参加選手の罰金も負担することも約束しているという。果たして、誰もが納得する形で、この問題が決着へと向かう可能性はあるのか――。