北京五輪のフィギュアスケート男子で金メダルを獲得したネーサン・チェン(米国)が、中国人ファンから深刻な誹謗中傷被害を受けていることが明らかになった。

 香港紙「サウスチャイナモーニングポスト」は「羽生結弦にネットの中国人ファンが愛と称賛をする一方で、米国の金メダリストであるチェンには〝中国を侮辱〟として攻撃する」と報道した。

 同紙は中国では日本代表の羽生に対する人気が絶大で、その羽生を破って金メダルを獲得したチェンが非難の的になっていると指摘。同紙によるとチェンに向けた中傷が殺到しており「サーカスの曲芸師だ」「彼は何をやっているんだ? ストリートダンスのように見えるがそうではない。ロボットダンスのようにも見えるがそうでもない」などとチェンの演技に罵詈雑言が浴びせられている。

 さらにチェンが中国系米国人であることを揶揄する声も噴出。「我々の祖国はあなたの両親を育てたが、彼らはアメリカにとどまった。彼の母親は北京出身で、彼らは中国人家族のはずだ。彼が五輪チャンピオンであったとしても、そのような中国への侮辱は受け入れられない」などと中傷の言葉が殺到している。

 フィギュアスケートでは、女子中国代表の朱易が団体戦の女子ショートプログラムで転倒するなどして最下位になったことで誹謗中傷が殺到。世界中で報道されて大問題に発展したばかり。今度は羽生を破った新王者がSNSの誹謗中傷の標的となってしまった。