【フィギュア・四大陸選手権】羽生ゆずプー災難“危険物”扱い

2020年02月08日 19時00分

羽生の演技後、リンクにプーさんのぬいぐるみが投げ入れられた(ロイター)

 新型コロナウイルスの思わぬ“被害者”が出現だ。フィギュアスケートの四大陸選手権(韓国・ソウル)の男子ショートプログラム(SP)で、五輪2連覇の羽生結弦(25=ANA)は世界歴代最高の111・82点をマーク。絶対王者の圧倒的な演技にファンは熱狂したが、その裏では「羽生をウイルスから守れ!」と厳戒態勢が敷かれ、プレゼントの手渡しもできぬ異例の事態に…。ファンはもちろん、羽生の象徴でもあるあの“超人気キャラ”まで災難に見舞われているのだ。

 今大会、羽生は2連覇を達成した2018年平昌五輪以来の“韓国上陸”となり、出場決定時から現地のファンは歓喜した。大会直前には平昌五輪金メダルの伝説プログラム&楽曲を復活させたとあって空前の盛り上がり…となるはずだった。

 だが、フタを開ければ大会が迫るに従って新型コロナウイルスの感染が拡大。そのため会場は厳戒態勢となり、観客は「渡航歴」などのチェックシート記入が義務づけられ、体温が37・5度を超えると入場できない規制もかかった。

 人気選手を抱える日本スケート連盟も対応に追われた。同連盟医事委員会は選手・関係者へ外出時の手洗い、うがい、アルコール消毒の徹底などを注意喚起し、メディアへも取材時のマスク着用を促した。さらに出場選手に対して「観客からのプレゼントは直接受け取らないよう指導しております」(同連盟)という異例の指示が出されたのだ。こうなると、現地で応援するファンのテンションも下がり気味だが、本当の“被害者”は羽生が愛してやまないディズニーの超人気キャラクター「くまのプーさん」だった。

 プーさんといえば、昨年12月の全日本選手権(東京・代々木)で氷上への投げ入れ行為が全面禁止され、恒例の“プーさんシャワー”ができずファンの不満が募ったのは記憶に新しい。今大会は「投げ込むプレゼントはビニールでラップされた人形(ぬいぐるみ)、花束だけ可能」との条件つきで投げ入れがようやく“解禁”となったが、一部から「今回こそ中止にすべき」「万が一、羽生に触れたら」と、プーさんとの接触を危惧する声も上がった。

 実際、世界保健機関(WHO)は媒介物からの感染を示唆しており、医療施設の関係者も「プレゼントなどから感染する可能性はゼロではない」と証言する。この日は氷上に大量のプーさんが舞い、羽生は次に滑る選手の邪魔にならないように自ら拾って片づけを手伝ったが、ネット上では冷静なファンが「ウイルスが付着しているかもしれないものを日本の宝に回収させるとは…」などと指摘。プーさんシャワーは中国が発祥と言われ、昨年は中国人による無秩序な投げ入れが問題となっただけに、同様の意見が噴出した。

 昨年10月にはプーさんの新シリーズ「Yuzu Pooh(ゆずプー)」が誕生。トレードマークの「はちみつ」の代わりに、冬の果物「柚子(ゆず)」を抱える新キャラは発売と同時に注文が殺到した。「ゆず=ユヅル」にあやかって世界中の羽生ファンが購入し、ディズニーストアの公式サイトには「想定を遥かに上回るご注文を頂き(中略)出荷準備作業が追い付かない状況となっております」とおわび文が掲載されたほど。この日「ゆずプー」が飛び交ったかは定かではないが、超人気キャラが新型コロナウイルスのためにとんだ“災難”に遭った格好だ。

 ともあれ、これだけの騒動になるのは羽生の圧倒的な存在感の証し。9日のフリーでは、伝説の楽曲に戻した“新型プリンス”の劇的Vでさらに世界を驚かせそうだ。