柔道日本代表をサポートする“情報のプロ” 競技再拡大に「アスリート×農業」を選んだ理由

2022年01月02日 07時00分

柔道人口の拡大を目指して…(東スポWeb)
柔道人口の拡大を目指して…(東スポWeb)

 柔道に人生をささげる一人の男性がいる。東京五輪で金メダルラッシュに沸いた柔道日本代表のアナリストを務める鈴木利一氏だ。

 鈴木氏は2013年に全柔連強化委員会の科学研究部員として活動を始め、14年からアナリストとして柔道日本代表の情報戦略をサポート。他にもNPO法人「JUDOs」の事務局長も務めるなど、さまざまな形で柔道に携わってきた。これまで表舞台に姿を現す場面は少なかったものの、自ら〝柔道のトリセツ〟を発信していくと心に誓った。

 国技の1つとして愛される柔道だが、競技人口はピーク時から半減。柔道離れが加速しているのが実情だ。そこで「柔道を通して、心身ともに健全な人間が育成され、社会に貢献する」という本質を軸に置いた上で「柔道との携わり方を増やし、柔道が人生の糧になるようなきっかけ作りができたら。柔道の父と言われる嘉納(治五郎)師範は柔道に価値を与え続け、世界に普及してきた。われわれも柔道に新たな価値を与え、柔道を盛り上げたい」と力強く決意。世の中が変化するように、柔道の教え方や見せ方も日々変化させる必要があるとの考えを示した。

 現在は多角的にプロジェクトを展開し〝機会づくり〟に力を入れている。その1つが「アスリート×農業」だ。関係ないようにも思えるが「農業というものを通して、アスリートが生産から販売に携わる場を多くつくっていきたい」との願いから「例えば普段交流できなかった柔道とサッカーの選手につながりが生まれることで、お互いの競技の魅力を発信できたら」と積極的に活動を進めている。

 究極のゴールは「柔道で心技体の基礎を育み、他競技や他分野へと派生していく」こと。「未体験の世界に飛び込むことは勇気のいることだが、外の世界を知らないと、自分を知ることもできない。柔道でもこれまで接点のない分野と交わることで、柔道のよさを再認識したり、改善すべき点を見つけたり、新しい価値を創出していきたい」と将来を見据えている。

 東京五輪で盛り上がりを見せたとはいえ、あくまで新たなスタートラインに立っただけ。柔道、さらにはスポーツ界の発展へ、自らの足で道を切り開いていく。

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