米国で「カレッジフットーボール」の新シーズンが開幕。ウィスコンシン大の試合で〝超密〟な熱狂ジャンプが復活したと話題になっている。

 アメリカンフットボールの大学リーグ戦「カレッジフットボール」は日本ではなじみが薄いが、米国ではプロの4大スポーツ(NFL、NBA、MLB、NHL)と同等の人気を誇る。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」は「4日のウィスコンシン大とペンシルベニア州立大の一戦で『ジャンプ・アラウンド』が戻ってきた」と伝えた。
 
「FOXカレッジフットボール」の公式ツイッターに投稿された動画は驚きのひと言。ウィスコンシン大のホーム「キャンプ・ランダル・スタジアム」に集まった、ほぼノーマスクの大観衆が真っ赤なシャツを着て、ジャンプを繰り返しているのだ。同スタジアムは8万人収容だが、動画を見る限り超満員に膨れ上がった〝超密〟状態。この動画は430万回以上、再生されてSNSで大きな話題となっている。

「FOXスポーツ」によれば、ウィスコンシン大のファンがジャンプを繰り返す「ジャンプ・アラウンド」は、1998年から続く伝統だ。第3クオーターの終わりに、1990年代に活躍したヒップホップグループ「ハウス・オブ・ペイン」のヒット曲「ジャンプ・アラウンド」に流れると、ファンが熱狂。翌99年のシーズンからは〝恒例の儀式〟として定着したという。

 昨季は新型コロナウイルスのパンデミックのため、ウィスコンシン大の試合は無観客で行われた。新シーズンからは有観客が再開されたことで「ジャンプ・アラウンド」の大熱狂を生んだのだろうが、これには世界最大プロレス団体WWEのスーパースター〝ストーンコールド〟スティーブ・オースチンも「オー・ヘル・ヤー! ウィスコンシン大 カレッジフットボール最大の伝統が帰ってきたぜ!」と「FOX」の動画とともに興奮気味にツイート。ストーンコールドはアメフト好きで知られる。日本では信じがたい光景だが、これが現在の米国の一般的な受け止め方なのだろう。
 
 一方、コロナのワクチン接種が進む米国でも、このところ新規感染者が再び増加傾向にある。そうした状況もあってか、SNSでは「ノーマスクのあの人たちがどれだけジャンプしても、ウイルスが飛び出すわけではない」「これはスーパースプレッダーイベント」「フットボールがあんたたちの人生を危険にさらしてるよ」「間違っても私がウィスコンシン州に行くことはなく、子供にも行かせない」などと、冷ややかな声も上がっている。