来年夏の東京五輪の選手村で配布されるコンドームの数が約16万個に上ることが明らかになった。五輪選手村と言えば、大量のコンドームが無料配布されることで有名。性感染症の予防を目的に、1988年ソウル大会から配布が始まった。その数は大会によって違い、2000年シドニー大会は12万個、08年北京大会と12年ロンドン大会は10万個、そして16年リオ大会では史上最多の45万個が大量に配られて話題となった。

 今大会は新型コロナウイルスの影響で史上初の延期。コロナ対策や運営の簡素化など特別な大会となるが、大会組織委は「選手に向けた性感染症予防の啓発を目的に、選手村内でコンドームの提供を行う予定です」と説明している。メーカー関係者によると、国内4社が約4万個ずつ、合計約16万個を選手村へ納めるという。参加アスリート約1万人と考えると、1人約16個分という計算になる。

 一方、コロナ感染予防の観点から「コンドーム配布が〝濃厚接触〟を助長しないか?」との問いに組織委は「現在、選手村での行動規範や各種対応方針を検討している最中。アスリートにとって安全・安心な大会の実現に向けてしっかりと議論して参りたい」と回答した。