ウクライナ侵攻が激しくなる中、ロシアを代表する蒸留酒ウオッカの販売を停止する動きが世界的に広まっている。日本でもバーの経営者らがロシア製ウオッカの提供を拒否している。

 東京・銀座の老舗バーの店主は「ロシアの攻撃で連日、ウクライナの民間人が亡くなっている。そんな時にロシア製のウオッカは出せません。他店のバーでもロシア製を売らない動きが活発化してます」と語る。

 また、銀座7丁目のレストランバー店長は「うちではウオッカべースのカクテルを愛飲する方が多い。うちの店の売りでもあるんですが、損をしても、ロシア製ウオッカを使ったカクテルは出してません」と言う。

 ウオッカはロシア、ウクライナ、エストニア、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、スロバキアなどで製造されている。小麦、大麦、ライ麦などを原料に蒸留と活性炭ろ過によって造られた蒸留酒で、ジン、ラム、テキーラとともに4大スピリッツと呼ばれている。アルコール度数40度前後が一般的。ストレートで飲むだけでなく、スクリュードライバーを始め、ウオッカベースのカクテルが20種以上ある。

 しかし、ウクライナ侵攻があってから、世界的にロシア製の不買運動が行われている。フィンランドでは、酒類専売の国営企業・アルコが2月28日に店頭とオンラインでロシア製アルコール飲料の販売を停止した。

 商社マンは「英国でも生協が全国の店舗でロシア製の販売をやめると表明。ニュージーランドでも、小売業者がウオッカやビールを棚から撤去したという情報がある。カナダでも一部の州が販売を停止。ウオッカ販売停止の動きは世界的に広まってます」と言う。

 実際、バイデン米大統領は先日、新たな対ロシア制裁についての演説をホワイトハウスで行い、ウオッカと魚介類、ダイヤモンドなどのロシアからの輸入を禁止すると表明した。

 ロシア製ウオッカ不買の動きは加速していきそうだ。