ウクライナ侵攻を続けるロシアの攻撃はエスカレート、9日には南部の小児病院が空爆を受けたとの情報があり、世界各国から「虐殺行為だ」との批判が高まっている。先日はナゾのハッカー集団「アノニマス」までもがロシアの国営放送などをジャックし、抵抗に加わったばかり。そんな中、インターネット上の匿名空間「ダークウェブ」では、暴走するプーチン大統領(69)の暗殺に高額報酬を懸ける依頼が続々。一獲千金を狙う世界中の刺客がプーチン氏を狙う…。

 ダークウェブとは、通常のネット検索では出てこない闇サイトのこと。一般にネット上で物事を調べる場合、検索エンジンに言葉を打ち込み、ニュースサイトや企業の公式サイトなどを見る。それは「サーフェイス(表層)ウェブ」と呼ばれ、ネット上にあるウェブサイトのわずか数%にすぎないという。残りは検索に引っかからないもので、その中でもダークウェブはネットの深海部分だ。その多くは私有のプライベートサーバーに置かれ、追跡回避の仕組みが施されるなど、匿名性を高め、専用ソフトや専用ブラウザーを使わないとアクセスできない。

 この特殊なネット空間で主流なのが、ありとあらゆる裏取引を仲介するサイト。人身売買、違法ドラッグ、武器、極秘情報の売買や、またハッキングや殺人など犯罪に絡む求人募集まである。そんな仲介サイトの一つ「ザ・ボード(掲示板)」には、日本時間の今月3日から数日間、こんな投稿が載っていた。

「アサシネーションズ・フォー・プレジデント・オブ・Ru―VVP」

 訳すと「Ru―VVP大統領の暗殺」で、「Ru」はロシアの略、「VVP」はプーチン氏の名前であるウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンの略字だ。

 投稿の詳細を見た男性によると、応募資格には「戦争参加経験のある軍人の男性」「依頼情報の秘密厳守」とだけあり、書類選考に通れば渡航費用などの必要経費を前払いし、武器も提供すると書かれていたという。報酬額も明記されていて、殺害成功で420万ドル(約4億8000万円)、致命的な重傷を負わせたら180万ドル(約2億円)、軽度の負傷や指導力を奪う混乱が60万ドル(約7000万円)。

 男性が振り返る。

「このプーチン暗殺の依頼主に関する情報は、過去このサイトで取引が成立した回数の『12』だけ表示されていた。同じアカウント名で、ビジネスやお金に関する募集も同時にかけていた。ダークウェブで知り合い、このサイトを教えてくれた外国人によると、ここはヨーロッパや中東からの投稿者が多いそうだ」

 また、その名もズバリ「ヒットメン・フォー・ハイヤー(ヒットマン求む)」という闇サイトでも、プーチン氏の名前を見掛けたという。

「『最新のミッション』というのが3つぐらい並んでいて、そのトップに『VVPUTIN』『ウォンテッド(お尋ね者)』とあった。成功報酬は非公開だが、8ケタから9ケタの米ドルで、『絶対に安全なリゾート地での今後20年の豊かな生活を保障する』と書かれていた」

 このサイトには「一般人」「公人」などターゲットの種類、また「殺人」「爆撃」などダメージの与え方によって異なる報酬額を細かく料金表に明示している。「公人」の「殺人」は18万~30万ドルの間で3段階の値段設定があり、その2~3ケタ違いのプーチン暗殺は“スペシャルミッション”という扱いなのだろう。

 気になるのが、こうした投稿の本気度。前出2サイトの信ぴょう性を高めているのが“デポジット制”だ。

「依頼人が報酬の一部をデポジットとして第三者機関に預け、サイト側はそこから手数料を引いて収入にしている。報酬が高額ならデポジットも当然高くなるわけで、高いカネをデポジットで払ってまで、そんなイタズラするヤツはいないだろうということ」(男性)

 聞けば、同様の暗殺者紹介サイト「アサシネーション・マーケット(暗殺市場)」でも「プーチンを暗殺したら報酬はいくら払う、みたいな一行情報を見た。いろんな暗殺依頼が短く投稿されていて、サイトを通じてメッセージをやりとりするようだ」という。

 プーチン大統領の所在は不明で、一説には山奥の地下核シェルターに隠れているともいわれている。その命を狙うカナダの元スゴ腕スナイパーがポーランドからウクライナに入ったことを、複数の欧米メディアが大々的に報じた。ちなみにカナダ軍特殊部隊は2017年、3540メートル離れた場所にいた過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」戦闘員を狙撃した記録を持つ。世界中には退役した名もなきスゴ腕スナイパーはごろごろいる。

 それにしても、依頼者は誰なのか。プーチン氏がいなくなり、ロシア内が混乱することに乗じて大儲けしたい武器商人か。

 それとも、プーチン氏がいなくなれば利を得る者、いや国なのかもしれない。