オミクロン急拡大でも行動制限は不要!?「自粛で体力低下し亡くなる人も増える」と上昌広氏

2022年01月06日 11時30分

世界各地でブースター接種が進められている(ロイター)
世界各地でブースター接種が進められている(ロイター)

 新型コロナウイルス感染者の激増に見舞われた沖縄県は5日、新たに623人が感染したと発表。東京都、大阪府もそれぞれ390人、244人と、昨年末には一時、落ち着いていた感染状況が一変した。沖縄県の玉城デニー知事は「まん延防止等重点措置」適用の要請を検討し、場合によっては緊急事態宣言も視野に入れている。だが医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令は「全く必要ない」と言い切った。

 やはり第6波がやってきた――。沖縄県は、第5波の真っただ中だった昨年8月28日以来の600人超え。あっという間に感染状況が悪化した同県の玉城知事は、政府に「まん延防止等重点措置」の必要性を説明し、山際大志郎経済再生担当相も迅速な対応を約束した。場合によっては緊急事態宣言の要請も視野に入れているという。

 永田町関係者によれば「政府は昨年末の段階で2月に緊急事態宣言を発令する最悪の事態をシミュレーションしていた」というが、急激な感染者数の増加だけを見ればそれも現実味を帯び始めたようにも見える。

 しかし、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は、「この期に及んでまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を発令するのは愚の骨頂だ」と批判した。

「どちらも全く必要ない措置。例えば米国では1日に100万人以上が感染しながら、死者の急増は見られず通常通り生活している。いいかげん、感染者数じゃなく重症者数で議論しなくてはいけない。今、日本に必要なのは行動規制ではなく、一刻も早い高齢者へのブースター接種。感染者数が多い海外で亡くなっている人は高齢者なので、そこを可及的速やかにケアすべきなんです」

 これまでの研究結果で、オミクロン株は死亡率も重症化率もデルタ株に比べかなり低く、感染しても肺炎を起こしにくいことが分かっている。また若年層では、無症状者が多いことも指摘されている。

 ただし、欧米諸国では複数の国ですでにブースター接種が進んでおり、完了者は抗体値が高い状態。すでに接種から半年以上が経過した高齢者が多い日本とは状況が異なる。それだけに日本では高齢者へのブースター接種を急ぐことで、まん延防止措置や緊急事態宣言といった経済を疲弊させる措置は不要というわけだ。

 また上氏は、まん延防止措置や緊急事態宣言といった行動規制について、別の視点からも問題があるという。

「行動規制は経済だけの問題じゃない。自粛によって体力が低下し、持病を悪化させて亡くなる人も増える。実際に日本では、例年に比べてどれだけ死亡者が増えたかの指標となる超過死亡数が増えている。内訳を見ると、新型コロナでの死亡者数をはるかに上回っているんです。『コロナさえかからなければいい』というバカな議論はやめて、どういう選択が国民の命をより守ることにつながるのか、考え直すべき」

 すでにワクチンに加えて経口治療薬も特例承認されたことで、新型コロナウイルスに対する“武器”は揃いつつある。そのうえ現在、主流となったオミクロン株の重症化リスクが低いのであれば、自宅隔離措置を多用することで病床逼迫も抑制できる。緊急事態宣言発令のデメリットを考えれば、政府は感染者の急増だけを見て、パニックのように緊急事態宣言を発令するようなことだけは控えてほしいところだ。

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