1995年に起きたオウム真理教による東京・地下鉄サリン事件から20日で26年となるが、教団の“残党”が今も新規信者を増やし、資産増大を続けているという。

 教団の組織は現在「Aleph(アレフ)」「山田らの集団」「ひかりの輪」の3つに分裂して活動を続けている。監視を続ける公安調査庁によると、信者数は国内に約1650人、ロシアに約130人、施設は国内15都道府県、31施設にのぼる。

 コロナ禍でも続けている勧誘活動は巧妙化し、昨年はアレフだけで約60人を新たに入信させ、うち7割が34歳以下だった。3団体で毎年約100人の新規入信者が確認されているという。

「最近の勧誘の第一歩はSNSで、趣味にヨガと書いている人がいれば『いいね』を押すところから始まる。団体名を隠して、ヨガ教室などに誘い込み、悩みごとを聞いたりして信頼関係を築いたうえで、最後に団体名を明かして入信させたりしている」(捜査関係者)

 公安調査庁は入学シーズンを前に今月1日から1か月間、インターネット上やユーチューブに「オウム真理教は今も… ネットを見ている若い皆さん! SNSからも若い世代が入会しています」などと動画広告を展開している。

 その中では、教団が信者に「自分が死んだときには親族による遺体の引き取りを拒否する」という遺言書を書かせるなど閉鎖的な体質のほか、信者獲得によって年々、資産を増やしている実態も明かされている。

「以前と変わらず、信者にはお布施をさせ、一昨年11月の報告分だけでも3団体の資産は計12億9100万円にまで膨れ上がっている。一方、昨年11月に最高裁がアレフに対し、一連の事件の被害者や遺族へ10億円余りの賠償金を支払う判決が確定したものの、いまだ支払いには至っていない」(前出関係者)

 一連のオウム事件を知らない世代が取り込まれないよう、事件を風化させてはいけない。