新怪物がまたも大暴れだ。サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ第4節が24日(日本時間25日)に行われ、F組ドルトムント(ドイツ)はホームでクラブ・ブリュージュ(ベルギー)に3―0で快勝し、勝ち点9として決勝トーナメント進出に王手をかけた。今季も国内外で得点を量産するFWエーリングブラウト・ハーランド(20)が2得点を挙げ、得点ランキング単独トップに浮上した。

 まさに「手がつけられない」とはハーランドのことを指すのだろう。今季絶好調の背番号9は前半18分、同じ20歳のFWジェイドン・サンチョの縦パスに反応し、ペナルティーエリア左から流し込んで先制ゴール。前半終了間際にサンチョの直接FKでリードを2点に広げた後半15分には、ゴール前で相手のクリアミスを拾って再びゴールネットを揺らし、第2節からの3連勝に大きく貢献した。

 昨季は日本代表MF南野拓実(25)とともにザルツブルク(オーストリア)でプレーし、欧州CLでも活躍。リバプールに移籍した南野に対し、ドルトムントに引き抜かれたハーランドはその後もゴールを量産し続け、CLでは合計8試合で10得点をマークした。

 その実力は今季さらに磨きがかかり、この日の2発で今季CL6点として得点ランキング単独トップに浮上。CL通算12試合出場で16得点は、あのFWリオネル・メッシ(33=バルセロナ)やFWクリスチアーノ・ロナウド(35=ユベントス)をも超える史上最速ペースだ。ドルトムント加入時に2000万ユーロ(約25億円)だった移籍金は、今や1億2000万ユーロ(約138億円)と6倍に高騰。名実ともに新怪物の道を歩んでいる。

 21日の国内リーグ、ヘルタ戦で4得点をマークした際に「レッドブルを飲んで翼を授かった」とユーモアあふれるコメントを残したことも話題を呼んだ。天空も地上も支配する驚異の20歳の勢いはまだ止まりそうにない。