【ポルトガル・リスボン18日(日本時間19日)発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)準決勝の1試合が行われ、パリ・サンジェルマン(PSG、フランス)がライプチヒ(ドイツ)に3―0で勝ち、初の決勝進出を決めた。

 フランス勢としては2003―04年シーズンのモナコ以来16季ぶりのファイナリスト。1992―93年シーズンを制したマルセイユ以来の同国勢制覇を目指す。準決勝のもう1試合、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)―リヨン(フランス)は19日(同20日)に行われる。

 力の違いを見せつけた。フランス代表FWキリアン・エムバペ(21)が先発に復帰し、ブラジル代表FWネイマール(28)、アルゼンチン代表FWアンヘル・ディマリア(32)の強力3トップが開始から躍動。まずは前半6分、ネイマールが右ポスト直撃のシュートで相手ゴールを脅かすと、同13分にはディマリアのFKをブラジル代表DFマルキーニョス(26)が頭で合わせて先制。同42分には相手GKのパスミスを見逃さず、浮き球の縦パスをネイマールがヒールで落とし、走り込んだディマリアが決めてリードを広げた。

 後半に入っても試合はPSGペース。12分にディマリアの左クロスをMFフアン・ベルナト(27)が合わせて、試合を決める3点目を奪った。Wエースと呼ばれるネイマール、エムバペに得点こそ生まれなかったが、相手のマークを引きつけることで周囲がフリーの状況をつくってチャンスを演出。改めて〝大駒〟の存在感と脇を固める役者たちのレベルの高さを示した。

 所属のフランスリーグは、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリアと合わせた「5大リーグ」の中で唯一、新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が打ち切り。試合勘の欠如に加え、エムバペが7月末のフランス杯決勝で負傷したことで不安は広がっていた。だがそれも打ち破り、今季は国内リーグ、2つのカップ戦を制覇。これで「4冠」に王手をかけた。

 カタール資本が入り大型補強を繰り返しながら8強の壁すらなかなか崩せなかった名門が、ビッグイヤー(優勝カップ)をはっきりと視界にとらえた。