来季もビッグネームのJ参戦は難しそうだ。新シーズンに向けて準備を進めるJリーグ各クラブは新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の影響で獲得を検討する新外国人との契約が進んでいない。日本へ入国のメドが立たないためで、新チーム編成に支障が出るなどサッカー界に波紋が広がっている。

 Jクラブの強化担当は「政府の方針で外国人の新規入国が認められていない。いつOKになるのかの見通しもたっていないし、昨年のように(開幕から)1か月が過ぎてもチームに合流できないようなら、練習にも参加できないし、無駄なお金だけが出ていくことになる。簡単には(外国人と)契約できない状況」と現状を嘆いていた。

 Jリーグの外国人枠は最大5で、助っ人として各ポジションごとにチームの軸になる存在。それだけに外国人の獲得が進まないことで来季に向けたチーム編成も停滞。特にFW陣は今季の得点ランキングトップ10のうち6人が外国人であったように、助っ人補強が躍進するカギとなる。それだけにチームの方針や戦い方にも大きな変更が求められるのは避けられないという。

 また、別のクラブ関係者は「(J1神戸の元スペイン代表アンドレス)イニエスタ級の世界的ビッグネーム取りと報道されているチームもあるけれど、この状況ではムリじゃない? 代わりに力のある日本選手の移籍が活発になる可能性もあるかもしれない」と指摘。各クラブによる主力選手の引き抜き合戦がスタートすると予測した。

 前出の強化担当は「残留した外国人選手はリエントリーを申請し、入国できる。それでも2週間の隔離が義務付けられているけど」と語っていたが、新外国人の獲得はあきらめムード。新たな助っ人を獲得し、チーム強化をもくろむクラブにとっては非常に厳しい状況といえそうだ。