Jリーグは16日、理事会を開催し、村井満チェアマン(60)がJ1浦和の一部サポーターによる違反行為を厳しく糾弾した。

 12日に埼玉スタジアムで行われた浦和―鹿島戦で一部の浦和サポーターが指笛や大声で声援を送る行為をしていたことが波紋を広げている。これらの行為は、Jリーグが定めた新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに違反するもので、浦和は15日に公式サイトで謝罪した。

 一連の騒動について村井チェアマンは「多くのファン、サポーターの方々が悲しい思いをされたのではないかと思う。話を聞いて、非常に多くの飛沫が飛ぶような内容。そういう意味では、ファン・サポーター自らが仲間のファン・サポーターを危険にさらす行為だったと思う」と違反行為の危険性を断罪。

 続けて「そうした中で陽性反応が明らかになってきたら、通常以上に濃厚接触の範囲が拡大する懸念もあり、サッカーを愛する方では起こりえない行為だ。大変残念に思う」と〝スタジアムクラスター〟が発生する危険性も指摘し、当該サポーターによる違反行為を重ねて非難した。

 こうした事態を受けてJリーグは、15日に木村専務理事が全クラブの社長に向けてガイドラインの順守を呼びかけた。今後は「クラブも改善に向けて啓発するし、Jリーグとしても啓発を続けていくつもりだ」と村井チェアマン。

 今回の件について処分などはないが「人の生命に関わるような事案をガイドライン化しているので、明らかにスタジアムでご覧になる方々を危険にさらす行為があれば、クラブが都度厳正に対処しながら、そうした方々を排除することも必要になるかもしれない」と危険行為が発生した場合に厳しい姿勢で臨む方針を示した。