Jリーグの村井満チェアマン(60)が異例の言及だ。

 新型コロナウイルス禍の終息の見通しが立っておらず、11日のJリーグ実行委員会では再開時期についての議論はなし。21日の政府専門家会議の状況を踏まえ、22日に開催する次回の実行委員会で具体的な日程を模索していくという。

 一方、ウェブ会見の最後に村井チェアマンは自ら切り出す形で、2017年から10年総額約2100億円の放映権契約を結んだスポーツ動画配信サービス大手「DAZN」との関係について「DAZNさんとは表裏一体。一緒に価値をつくっているなか、さまざまな形でお話をしている。契約の変更、見直し、減額には至っていない」と強調した。さらには異例の申し出も。「試合が行われていないため、中継制作などの費用が出ていないので、我々から(DAZNからの)一部支払いのタイミングを遅らせる提案をさせていただいて、了解をいただいた」

 Jリーグはコロナ禍によって財政難に陥ったクラブの救済態勢を整えているが、その原資として巨額の放映権料が大きなウエートを占める。それが減額となれば、各クラブへの支援も十分に行えなくなる。それだけに、良好な関係性を示すことでJリーグの財政状況への不安を払拭したい意向もあったようだ。

 先月にはDAZNが試合中断中の放映権料を支払わないと各スポーツ団体に通告したというロイター通信の報道を、村井チェアマンが否定したばかり。やはり“DAZNマネー”が、Jリーグの未来を左右しそうだ。