転んでもただでは起きないということか。WWEの総帥、ビンス・マクマホン氏(76)が〝不倫スキャンダル〟で渦中の人となっている。

 米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は先週、ビンス氏が不倫関係にあった元従業員に300万ドル(約4億円)の〝口止め料〟を支払ったとされる問題を、WWEの取締役会が調査していると報道。これを受け、ビンス氏は調査が終了するまで会長とCEOの座から離れる事態となった。

 プロレス以外の米メディアも巻き込んで話題の的となっているが、そのビンス氏は先週のスマックダウン(SD)のオープニングに登場。WWE全番組の冒頭で掲示される4つの言葉について「思い出してもらうためにここにいる。THEN、NOW、FOREVER、そして最も重要な言葉、TOGETHERだ。スマックダウンにようこそ!」と意味深に話しただけで、口止め料問題に関しては触れなかった。

 ただ〝渦中の人〟登場の効果は絶大だった。エンタメサイト「デッドライン」など複数の米メディアによれば、ビンス氏登場回SDの全米視聴率は速報値で227万2000人の平均視聴者を記録。これは前週から26・1%とアップしており、2021年1月以来SDの最高視聴者数になったという。

 しかも視聴率で重要視される18~49歳の層では、実に前週から46%増だった。この回はWWE&ユニバーサル統一王者ローマン・レインズの防衛戦や〝ザ・ビースト〟ブロック・レスナーの電撃復帰もあったが、やはり事前に告知されていたビンス氏の登場が視聴者の興味を集めたとみられている。

 米メディアは「今週のビンス・マクマホンは勝者であり敗者であった」(デッドライン)と伝えており、商魂たくましいその姿勢はまさに「スポーツエンターテインメントの帝王」「悪の天才」の面目躍如といったところだ。