女子プロレス「スターダム」のワールド王座戦(28日、東京・大田区総合体育館)は、王者の朱里(33)が「プロミネンス」のリーダー・世羅りさ(30)を退け、5度目の防衛に成功した。

 2020年9月20日のアイスリボン後楽園大会では当時、世羅が保持していたFantastICE王座に朱里が挑戦。ノーロープのデスマッチルールで敗れており、その借りを返すためにも王者からの指名により2人のタイトル戦が実現した。

 3カウントと場外カウントなし、ギブアップかKOの完全決着ルールで行われた一戦。開始早々に朱里のジャーマンが炸裂すると、その後も激しい攻防の連続だった。

 試合中盤では世羅がレフェリーに竹刀攻撃を見舞い無法地帯をつくり出すと、セコンドのプロミネンス4人が乱入。5人がかりで朱里を痛めつけた。

 さらに世羅の断崖式羅紗鋏(変型シュバインバスター)を食らって大ピンチを迎えた王者だったが、「ゴッズアイ」のセコンド・壮麗亜美が相手セコンドを蹴散らす好アシストを見せた。

 これで息を吹き返した朱里は竹刀をへし折ると、スリーパーで捕獲。粘る挑戦者を容赦なく絞め続け、プロミネンスがタオルを投入。14分29秒、TKOで朱里が王座防衛を果たした。

 試合後「世羅りさ、これがワールド・オブ・スターダムチャンピオンだ! どんなルールでも、このベルトは守り続ける。世羅、シングル久しぶりだよね。お前さあ、竹刀使わなくても強いじゃん。だから次試合する時は、そういうのなしで心で試合をしたいよ」と呼びかけた朱里。

 すると大江戸隊の渡辺桃が現れ「去年、5★STAR GP決勝でてめーに負けて以来、ようやくこの時が来たんだよ。次の赤いベルトの挑戦者はこの私だよ」と表明。

 すると王者は「ブラックピーチになった渡辺桃。私もこの赤いベルトをかけて試合したいと思ってたよ。けどさ、大江戸隊っていろいろな人が介入してきたりするじゃん。ウチは渡辺桃と1対1でこの赤いベルトをかけて試合がしたいから、そこんとこ頭に入れといてよ」と条件付きで受諾。今後も厳しい防衛ロードが待ち受ける。