新日本プロレス27日の大阪城ホール大会で、偉大なるユナイテッドエンパイアのグレート―O―カーン、ジェフ・コブ(39)組がIWGPタッグ王者の「毘沙門」後藤洋央紀、YOSHI―HASHI組に挑戦することが確実となった。

 本来であればこの日は「NEW JAPAN CUP」決勝戦でコブとの同門対決に臨むはずのオーカーンだったが、天変地異に次ぐ天変地異によって2人とも敗退してしまったためIWGPタッグに照準。この日はウィル・オスプレイ、アーロン・ヘナーレと組んで後藤、YOSHI―HASHI、真壁刀義、本間朋晃組との8人タッグマッチに出場した。

 先手必勝の鉄則に忠実な連合帝国はゴングを待たずしての奇襲で敵軍を圧倒する。真壁のチェーンを奪ったオーカーンは、まさに鬼に金棒、虎に翼、弁慶になぎなた。後藤の首を絞めて大ダメージを負わせていく。

 オーカーンの実力をもってすれば誰からでもフォール勝ちを収めることができるはずだが、勘違いしてはいけない。お前のためにチームがあるんじゃねぇ、チームのためにお前がいるんだ!! 終盤に本間と一騎打ち状態となったコブに試合を託すと、最後はツアー・オブ・ジ・アイランドで連合帝国に凱歌があがった。すべては知将・オーカーンが描いた筋書き通りの結末だった。

 さらに試合後のリング上には後藤とYOSHI―HASHIの2人を呼び込む。毘沙門が日本一のチームなら…蹴ちらすまでだ。コブがYOSHI―HASHIにエルボーを叩き込むと、オーカーンは一撃必殺のエリミネーター(アイアンクロースラム)で後藤をKO。「笑止千万、片腹痛し。王者の姿か? これが。情けない。どうした、ハートは砕けたか? 余が聞いてるんだ。寝てんじゃねえぞ」と、かつてYOSHI―HASHIがケニー・オメガに発して物議を巻き起こした言葉を引用しながら追撃のストンピングを打ち込んでいった。

「余はグッズ売り上げ1位、そして唯一の皆勤賞という働き者にもかかわらず、冷遇、不遇だ。それに比べてヤツらはなんだ? カネも話題も生まず、会社にプッシュされ、愚民からチヤホヤされて…そういう奴らを潰したいと、革命を起こしたいと思わんのか? この狂った今の新日本プロレスに革命を起こしてやるよ。余とコブのような、本物の実力を持ってる者が上に立つべきなんだよ。言うならばオーカーン革命だ」。IWGPタッグ王座奪取はもちろんのこと、本年度のプロレス大賞最優秀タッグはもはや内定同然。オーカーンがその気になれば、チェ・ゲバラを超えて世界一有名な革命家としてその名をとどろかせるのは時間の問題と言っても過言ではない気がする。