新日本プロレス4日の埼玉・メットライフドーム大会で最大の衝撃を与えたのは、SHO(32)のCHAOS離脱からのバレットクラブ電撃加入だった。

 同期のYOH(33)と長年にわたりタッグチーム「ロッポンギ3K」で活躍してきたSHOは、8月16日後楽園大会で造反し、チームを解散した。メットライフドーム大会でYOHとの因縁のシングル戦に勝利すると「だから何度も言わせないでくださいよ…引退しろって言ってんだろ!」と宣告。さらにその直後のリング上に現れたEVIL、ディック東郷、高橋裕二郎と結託しバレットクラブ入りを果たした。

 EVILは「マーダー・マシン」として生まれ変わったSHO、そして東郷と裕二郎の4人でバレットクラブ内の新チーム「ハウス・オブ・トーチャー」の結成を宣言した。ユニット内に複数メンバーのチームを作るという点では、かつてケニー・オメガが率いた「ジ・エリート」や、少しだけ例えを悪くすれば「田口ジャパン」のような存在と見られる。「全員、拷問の館に引きずり込んでやるよ。まずは鷹木、お前からだ。よく覚えておけ」と、5日のメットライフドーム大会で挑戦するIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟に宣戦布告した。

 メットライフドーム2連戦の直前に当サイトの取材でEVILは、鷹木の新型コロナ感染で前哨戦が行えなかったことに言及。「あんな無能なやつと戦うよりも、よっぽど有意義な時間の過ごし方ができた。こっちもこっちでいろいろと計画を進めることができたしな」と不敵な笑みを浮かべつつ「俺が再びベルトを手にするための最後のピースがそろった」と豪語していた。その秘策は新たな必殺技などといった自身の進化ではなく、新たな〝パレハ〟のSHOだったということのようだ。

 これまでEVILのシングルマッチには必ずと言っていいほど東郷がセコンドとして就き、試合に介入することが日常茶飯事となっていた。EVILの発言を省みれば「最後のピース」と称されたSHOもタイトルマッチに介入してくる可能性は高い。

 EVILとSHOのキャリアを振り返れば深い接点も見えてくるだけに、まさに水面下での暗躍が実った格好。王座戦直前の〝補強〟により、鷹木はさらなる脅威にさらされることになった。メットライフドーム2連戦の大トリを飾るIWGP世界戦は、闇に染められてしまうのか。