新日本プロレスのオカダ・カズチカ(32)が、IWGPヘビー級&インターコンチネンタル(IC)の2冠王座戦線に異議だ。現状の2冠王座に興味が薄れていることを告白し、一時的にタイトル戦線とは一線を画す意向。次なる目標を模索する中で、まずは25日の愛知県体育館大会で控える高橋裕二郎(39)とのシングル戦に集中した。

 オカダは11日の「NEW JAPAN CUP(NJC)」決勝戦(大阪城)でバレットクラブ(BC)に介入され、EVILに惜敗。あと一歩のところで連覇を逃したが「どれだけ反則してもレフェリーが見てなかったら反則じゃないですから。しょうがないです。言い訳? ないです。EVILが強かった」と潔く敗戦を受け入れた。

 25日の名古屋決戦では、介入劇により遺恨が勃発した裕二郎との一騎打ちが組まれた。オカダや飯伏幸太(38)、鷹木信悟(37)ら花形選手を輩出した2004年デビュー組の同期ながら、近年の裕二郎はトップ戦線から遠ざかっている。そのため「同じ年代がこれだけ活躍して、燃えてほしいなって。レスリングの技術もパワーもありますし。覚醒した裕二郎さんを倒したいです、僕は。手ごわい選手は一人でもいたほうが面白いじゃないですか」という思いでいる。

 同大会では2冠王者のEVILと高橋ヒロム(30)の王座戦も行われる。本来ならNJC準優勝者で、準決勝ではヒロムに勝利したオカダはトップコンテンダーに近い位置にいるべき存在。NJC前もIWGP返り咲きへの強い意欲があったが「正直、今はちょっと見られないって感じですね」と心境の変化を明かした。

 一番の要因はロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとBCのユニット抗争が、即座に2冠戦に直結していることだ。この現状を疑問視しており「ロス・インゴのお家騒動、好き勝手やってくれと。お客さんが興味を持ってくれるならいいんじゃないですか。僕は全然興味ないですけど。巻き込まれているベルトが一番かわいそうだなって。まあ、価値が下がってもいずれ僕が上げるんで、今は好き勝手やってくれよ」とバッサリだった。

 もともとIWGP至上主義のオカダは、ICとの「2冠」の流れ自体にも否定的なスタンス。「2冠の時点で(ベルトの)価値が半分になっちゃった感じはありましたし、だからって2冠になった内藤(哲也)さんが何かを見せられたのかっていったら、見せることができずに負けちゃって。なんか…違うかな。だから正直、興味なくなっちゃって」と語る。

 業界の至宝・IWGPの現在の姿が、自身の理想と相当乖離しているようだ。「文句を言うつもりはないですよ。僕は僕で違う盛り上げ方があると思うので。そういう意味では裕二郎さんとやるので、それはそれでいいかなと」。タイトルとは別路線でどんな戦いを見せていくのか注目だ。