暗黒王の狙いは? 新日本プロレス25日の愛知県体育館大会で高橋ヒロム(30)とのV1戦に臨むIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者EVILが、“悪魔のささやき”だ。挑戦者にも「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」からの造反をそそのかし、何ともダークネスな目的が見え隠れしてきた。

 EVILは11日の大阪城大会で「NEW JAPAN CUP(NJC)」制覇後にLIJを離反し、「バレットクラブ(BC)」に電撃加入。翌12日にLIJのボス、内藤哲也(38)を撃破し2冠王座も手にした。

 一夜明けたオンライン会見では「何が何でも優勝するって言っただろ。BCは史上最高のチームだ。LIJ? あんなやつら、腐りきってるだろ」と古巣を罵倒。鷹木信悟(37)、BUSHI(37)と保持するNEVER無差別級6人タッグ王座についても「あんなクソどもと持っているベルトなんていらねえんだ」と返上する意思を示した。

 まさに邪悪な王者の初防衛戦の相手はIWGPジュニアヘビー級王者のヒロムに決定。昨年12月に首の負傷による長期欠場から復帰したかつての盟友に対し、さっそく「病み上がりだろ。お前のその首で俺に耐えられるのか?」と挑発した。

 さらに会見後、本紙の取材に応じたEVILは不穏な言葉を並べた。裏切りを糾弾してきたヒロムに「そんなこと言って、実は俺に『先を越された』とでも思ってるんじゃないか? お前はまだそこにいるつもりか? いつまでも内藤と一緒にいるつもりなのか?」と追随をそそのかすような発言を繰り出した。

 今回の造反劇に最も怒りをあらわにするヒロムは、師匠にあたる内藤と強固な絆で結ばれている。その一方でEVILとは長年にわたり切磋琢磨してきた。師弟を引き裂き、内藤を追い詰めるつもりなのか。それとも誰よりもその実力を知るヒロムをBCに引き抜き、さらなる戦力強化を図るつもりなのか…。最終的にはLIJの完全崩壊を狙っている可能性もありそうだ。

 暗黒王は「どういう意味なのか、そんなことはお前らに教える必要はない。ヒロムが自分で考えることなんじゃないか?」と不敵な笑みを浮かべるばかり。名古屋決戦が風雲急を告げてきた。

【名古屋大会・追加カード】25日の愛知大会でNEVER無差別級王者の鷹木はエル・デスペラードとのV3戦が決まった。オカダ・カズチカ(32)はNJC決勝戦で試合に介入した高橋裕二郎(39)とシングルで対戦する。またEVILの「新たなパレハ」として登場したディック東郷(50)は20日の東京・後楽園ホール大会への出場が決定。EVIL、石森太二(37)と組み、ヒロム、内藤、BUSHI組と激突する。