新日本プロレスのIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者・内藤哲也(38)が、「NEW JAPAN CUP(NJC)」決勝戦(11日、大阪城ホール)進出を決めたオカダ・カズチカ(32)とEVILを徹底分析だ。パレハの「邪悪化」を歓迎した上で、翌12日大阪城大会での初の同門王座戦実現に太鼓判を押した。

 32選手が参加したNJCも残すところあと1試合。優勝者との防衛戦を控えた2冠王者に取材を申し込むと、やはりファミレスへの招集がかかった。

 開幕前から本命視していたEVILが決勝進出を決め、大阪城決戦初日ではオカダと頂点を争う。内藤は「僕の中では順当ですね、ここまでは。逆のブロックではオカダの戦いぶり、充実具合というのが際立っているかな。32人の中で一歩も二歩も抜きんでている」と見解を示した。

 それでも「理想も予想も優勝はEVIL」と断言するのは、トーナメントでの戦いぶりにある。日に日に邪悪さを増す暗黒王は反則スレスレのラフファイトを展開。準決勝(3日)ではタッグパートナーのSANADA(32)に急所攻撃を見舞う非情ぶりを見せた。

 この変貌ぶりについて「勝ちにこだわる姿勢、結果を求めているEVILというのはいいと思いますよ。僕がNJC優勝してIWGPを取った2016年も、そのくらい必死でしたから。逆に言えば、そのくらいの貪欲さがないと今のオカダは倒せないと思います」ときっぱり。セコンド介入などを駆使して一気に頂点をつかみ取った4年前の自身と重なるようだ。

 さらに内藤の立場としても、王座戦の相手としては現在のEVILのスタンスのほうが好都合だという。「俺は2月の大阪城(KENTA戦)から5か月間、シングルマッチができてないわけですからね。NJCに出ている選手のほうが肉体的なダメージはあるかもしれないけど、試合勘、シングルのスタミナという点では不利は否めないでしょう」。コロナ禍により自粛期間を経たブランクは深刻な不安要素となっている。

 それだけに「俺なりのやり方でタイトルマッチに向け調整していくけど。どちらが来たとしても、なりふり構っていられないのは、むしろ俺のほうかもしれないしね」と不敵な笑み。いよいよ実現が見えてきた初の「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」同士の王座戦は不穏な空気が充満してきた。

 取材を終えた内藤は「なにやらツイッター、始めたらしいじゃないですか。せっかくやるなら『内藤くん』(ミニチュア人形)と一緒に写真を…おっと、車の中にあるんだった。ちょっと取ってくるから待ってて」と言い残し駐車場へ。ところが一向に戻ってくる気配はなく、テーブルの上には伝票だけが残された。